歯科金属アレルギー

2016年4月1日から、今まで大臼歯に認められなかったレジン(歯の色のプラスチック)製の歯が健康保険で認められるようになりました。皮膚科で金属アレルギーと診断された方のみで、自己申告だけでは認められません。
月刊保団連2016.4no.1216号に 高 永和先生(大阪市生野区開業)の研究報告がありましたのでわかりやすく解説いたします。高先生の主な著書に「見分けて治そう!歯科金属・材料アレルギー」(クインテッセンス出版)があります。

歯科の金属アレルギーとは口の中だけではなく首や、背中などに湿疹や炎症をひきおこします。
金属アレルギーは、原因金属を特定してそれを取り除けば治ることになります。
歯科金属は硬さ、耐酸性、熱膨張率、生体親和性、などを考慮して様々な金属を混ぜ合わせた合金です。そのため、どの金属がアレルギーを引き起こすかを調べなければなりません。

①パッチテスト
背中などの皮膚に原因物質を張り付け時間の経過で炎症が起こるか調べるテストです。
今は歯科金属に対応した試薬(鳥居薬品株式会社)もあるとの事です
欠点は、3日間お風呂に入れないのと、夏は擬陽性といって本来なら炎症が出ない金属にも汗などで判定がしにくくなることです。
②リンパ球幼若化試験
採血した血液で反応するか調べるテストです。
③金属内服負荷試験
原因と思われる金属を飲んでアレルギーを起こさせるテストです
信頼性が高いが内臓に障害をもたらす可能性があるので慎重に行う必要があります。
これらを複合して試験し判定します。

また。金属を取り除く治療をした場合は、2~3週間後に一時的に悪化することがあることを忘れずにいてほしいとの事でした。