親知らず治療

前歯から数えて6番目の奥歯の6才臼歯・7番目の歯のさらに奥に生えてくる8番目の歯を『親知らず』と呼びます。

親知らずが生えてくる20歳前後には、歯茎の被ったところに細菌が溜まって歯茎が腫れたり、斜めや横に生えてくるトラブルが頻発します。

親知らずは、キレイに生えてきた場合には必ずしも対処する必要はありません。

ただし、将来的にトラブルを引き起こす可能性のある場合は、早めに親知らずを抜歯しておくことで、問題の原因から取り除いておくことも必要です。

ここでは親知らず抜歯の手順や重要なポイントについてご説明いたします。

親知らず抜歯の流れ

1. 血管や神経の位置をレントゲンで確認

まずはレントゲン撮影を行い、親知らずの根の状態、また血管・神経の位置を確認します。 当院では事前に親知らずの状態を把握してから抜歯治療を行い、抜歯の安全性を最優先に確保します。

2. 表面麻酔と注射麻酔で痛みを最小限に抑える

親知らずを抜く際、痛みを抑えるために麻酔を行うことは当然のことですが、当院では麻酔の痛みも最小限に留めるための注射針の刺し方があります。また、注射麻酔ではなるべく圧をかけないように、痛みを出さないように最大限の配慮をいたします。

3. 親知らずを抜歯する

歯と骨の間には歯根膜(しこんまく)と呼ばれるクッションのようなものがあります。抜歯を行う際には、親知らずをこのクッションから引き離します。 麻酔が効いているため、基本的に痛みはありません。ただし、万が一痛みが出る場合には合図を送っていただき、麻酔を追加します。親知らずが骨の奥に埋まっている場合は、周囲の骨を削ったり、歯を小さく割ってから歯を抜きます。そのため、頑張ってお口を開いておいていただく必要があります。

4. 糸で縫って傷口を小さくする

親知らずを抜いたあとは、抜いた部分の穴が早く塞がるように、傷口を縫う事もあります。麻酔はおよそ1~3時間で効果が薄れてくるため、痛みが心配な方は麻酔の効果が切れる前に痛み止めを飲むようにしてください。

5. ガーゼで圧迫止血する

出血を早く止めるため、ガーゼで圧迫止血を行い、痛みや腫れを最小限に抑えます。この時、かさぶたが早く出来るように、20分ほどガーゼを強く噛んでもらい、止血を行います。血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は血が止まりにくい傾向にあるため、長めにガーゼを噛むようにしていただきます。
お口の中のカサブタは、黒いゼリー状のものですので、それをうがいなどで取り除くとサラサラした赤い血が出てきて止まりません。あまり気にしない事が大切です。

6. 翌日の消毒

翌日に出血や感染がないかを確認し、消毒を行います。痛みや腫れの状態によっては、薬を増やしたり、種類を変えることで早く回復するように調整いたします。

7. 約1週間後に糸を取る

抜歯からおよそ1週間で、親知らずを抜いた傷口が塞がってくるため、糸を取る処置を行います。その後、3~4週間で傷口は完全にふさがり、骨は3~6か月ほどで回復しはじめます。ただし、回復速度には個人差があり、人によって異なります。

ドライソケットになった場合の対処法

抜歯後1週間が経過しても激しい痛みが伴う場合は、ドライソケットになっている可能性があります。

ドライソケットとは、極度のうがいなどによって血液のかたまりが流れてしまい、抜歯した穴にかさぶたが形成されず、骨が露出してしまっている状態を指します。

ドライソケットになっている場合は、薬を飲んで経過を見守るか、麻酔をしてから意図的に出血させ、かさぶたを作りなおす処置を行います。