こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。
本日は、日本は水道水のフッ素化をしていないので、フッ素を利用するなら歯医者へについてお話しします。
虫歯予防でのフッ素の効果についてお聞きになったことがある方も多いのではないでしょうか。
フッ素の効果としては、再石灰化の促進作用(溶かされた歯を治す)、歯へのフッ素の取り込み作用(溶かされにくい強い歯にする)、虫歯菌への抗菌作用(虫歯菌の活動を抑える)があげられます。
これらの働きで虫歯予防に役立っているのですが、問題はどのようにして歯にフッ素を作用させるのかということです。
何か特別なことをしなくても歯に作用させられれば、とても便利で効果的です。
そこで世界的に進められているのが、水道水のフッ素化です。
今回は水道水のフッ素化についてお話しします。
水道水のフッ素化について
水道水のフッ素化とは、水道水のフッ素濃度を虫歯予防に適した、そして健康に害を及ぼさない濃度に調整することで、虫歯を予防する方法です。
水道水フロリデーションともよばれています。
日常の飲み水にフッ素を入れることで、フッ素を体に取り込みます。
大変手軽な方法で、フッ素の利用法としては最も簡単で、最も多くに人が利用できる方法とされています。
水道水のフッ素化の安全性
水道水にフッ素を入れると聞くと、多くの方が安全性を心配されます。
実際、水道水のフッ素化をアメリカで始めようとしたときにも、同じ理由で反対する人がたくさんいました。
私たちが飲んでいる水道水には消毒用に塩素が入っていますよね。
だからと言って、水道水が危険かというとそうではありません。
塩素の濃度が適切な濃度であれば、安全ですし、消毒効果も得られます。
フッ素も同じで、WHOでは1.5ppm以下なら安全としています。
日本の水道水のフッ素濃度
現在の日本の水道水の水質基準ではフッ素は0.8ppm以下とされています。
虫歯予防のためには1.0ppmくらいが適正とされていますので、日本の水道水のフッ素濃度は虫歯予防には力不足ということになります。
しかし、世界を見渡せば、虫歯を予防するために、現在、世界の60カ国以上で水道水のフッ素化が行われているそうです。
最も手軽なフッ素の利用法である水道水のフッ素化が日本で実現すれば、日本の虫歯予防は大きく前進すると思われます。
ただし、日本において約100年前に京都で水道水にフッ素を入れる実験をした際に斑状歯が発生し、それ以来フッ素に対してこう了承は過敏になっていると思われます。
日本でのフッ素の利用法
現在、日本でフッ素を利用する方法は、3つです。
フッ素入り歯磨き剤での歯磨き
フッ素が配合された歯磨き剤で歯磨きをする方法です。
日常の歯磨きのときに、無理なくフッ素を歯に作用させられるので、最も簡単なフッ素の利用法です。
現在、市販されている歯磨き剤の90%以上にフッ素が配合されているので、毎日の歯磨きだけで簡単にフッ素を作用させられます。
フッ素入り歯磨き剤のユニークなところは、虫歯の原因であるプラークの中にフッ素が溜まっていくという点です。
プラークの中の虫歯菌の活動を抑えるだけでなく、虫歯になり始めた時に歯が溶かされにくくする効果があります。
なお、フッ素入り歯磨き剤にはいくつか種類があります。
市販されている歯磨き剤の中で最も効果が高いのは、フッ素濃度1450ppmのタイプです。
ただし、6歳未満の方には使用が認められていませんので、その場合は従来型の950ppmのタイプをご使用ください。
フッ素入り洗口液による洗口
フッ素が配合された洗口液を数十秒間口に含んでぶくぶくとする方法です。
こちらも簡単です。
洗口液を使う方法は、週一回だけ行う週一回法と、毎日洗口する毎日法の2タイプあります。
違いは濃度の差だけです。
週一回法の方が、4倍ほどフッ素濃度の高い洗口液を使います。
小学生以上の方は、週一回法の方が手間がかからないのでおすすめです。
歯科医院でのフッ素塗布
歯へのフッ素塗布は、歯磨き剤や洗口液によるフッ素利用と違い、歯科医院でしか受けられないフッ素の利用法です。
フッ素塗布は、歯磨き剤や洗口液以上に、歯の再石灰化の促進効果が高いです。
その上、再石灰化時にフッ素が効率的に歯に取り込まれるので、歯そのものを強くする歯質強化作用も高いです。
また、フッ素塗布の前に歯をクリーニングしますので、プラークも同時に除去されるので、プラークコントロールも図れます。
歯科医院に通院しなければならないのが手間ですが、年数回だけで効果が得られますので、虫歯治療に通う手間を考えるとそれほど大変ではないのではないかと思います。
まとめ
今回は、水道水のフッ素化についてお話ししました。
水道水のフッ素化は最も手軽なフッ素の利用法で、アメリカをはじめ、世界各国で進められていますが、日本では現時点では行われていません。
そのため、日本での歯のフッ素の利用法は
①フッ素入り歯磨き剤での歯磨き
②フッ素入り洗口液での洗口
③歯科医院でのフッ素塗布
の3つです。
中でもおすすめしたいのが、歯科医院でのフッ素塗布です。
歯科医院でのフッ素塗布には、歯の再石灰化の促進効果と再石灰化時にフッ素を歯に取り込ませる効果により、歯そのものを酸に溶かされにくい強い歯に変える効果があります。
もちろん、フッ素入り歯磨き剤やフッ素入り洗口液も十分有効です。
要するに何か一つに頼るのではなく、3つの方法を上手に組み合わせることで、虫歯予防を図るというわけです。
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