歯科医師の技術力がカギとなるグラディアダイレクト(更新日:2021年10月21日)

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、歯科医師の技術力がカギとなるグラディアダイレクトについてお話しします。

治療後の仕上がりがとても自然できれいになるグラディアダイレクトは、ベースレジンにフィラーを配合したコンポジットレジンというタイプの歯科治療材料です。

保険診療でもコンポジットレジンはありますが、グラディアダイレクトはフィラーにセラミック の粉末を配合したり、フィラーの形や大きさを最適化したり、フィラーに特殊加工を施したりしているのが特徴です。

グラディアダイレクトがいかに優れた治療材料だとしても、それを活かすのは歯科医師のスキルです。

ところが、グラディアダイレクトはなかなか難易度の高い治療法なのです。

どうしてグラディアダイレクトは難易度が高いのでしょうか。

■グラディアダイレクトはダイレクトボンディング治療

ダイレクトボンディング治療とは

ダイレクトボンディング治療とは、虫歯の穴や欠けた歯を削ってその形を整えたところに、直接コンポジットレジンというプラスチック製の治療材料を詰めていく治療法です。

実は、このコンポジットレジンという素材には歯に接着する性質があります。

ダイレクトボンディング治療と呼ばれるのは、歯に直接(ダイレクト)接着(ボンディング)するからなのです。

■グラディアダイレクト治療が難しい理由

グラディアダイレクトが難しいとされる理由は、大レクトボンディング 治療だからです。

クラウンやインレーのようなダイレクトボンディングでない治療は、歯型をとって歯の模型を作製し、その模型上で被せ物や詰め物を作成します。

歯の模型上でなら視野が広くとれるので、どの向きからも自在に見ることができますし、影になるところは、光を照らして影が生じないようにできます。

一方、ダイレクトボンディング治療では、お口の中で直接詰めながら、形を整えていきます。

治療したい歯をあらゆる方向から見ることはできません。

限られた方向から見ざるを得ませんし、道具を入れる方向も限定的です。

影があるからと言って、いろいろな向きから光を当てることもできません。

このような理由により歯の模型上で被せ物や詰め物を作製するのと比べると、ダイレクトボンディング治療の難易度は必然的に高くなります。

奥歯の症例ならなおさらです。

グラディアダイレクトもダイレクトボンディング治療の一種です。

しかも、天然の歯と同じような白く美しい仕上がりにするため、積層充填といういろいろな色合いを重ねて詰める特殊な方法を採用しています。

この充填法も難易度が高いのです。

こうした理由から、グラディアダイレクトを使用した修復治療はとても難しく、歯科医師に高い技術を要求する治療法となっています。

■ダイレクトボンディング治療の特徴

ダイレクトボンディング治療のメリット

・歯を削る量が少ない

歯型をとって作製する被せ物や詰め物による治療では、”歯型を取る”と言う作業のため、そして被せ物や詰め物が外れないようにするために、虫歯や欠けた部分以上に歯を削らなくてはなりません。

ダイレクトボンディング治療なら、虫歯やかけたところだけを削って形を整えればいいので、歯を削る量を抑えることができます。

・治療が1回で終わる

ダイレクトボンディング治療では、虫歯や欠けた歯を削って形を整えたら、すぐに詰めて形を整えていきます。

基本的にダイレクトボンディング治療はその日のうちに治療を終えることができます。

一方、クラウンやインレーのような治療では、歯型をとって後日装着しますから、治療期間が長くなってしまいます。

治療が難しいので時間がかかるかもしれませんが、治療自体は一回で終えることができるのがダイレクトボンディング治療の利点です。

・修理ができる

金属製やセラミック製の被せ物や詰物が破損した場合、破損の仕方にもよりますが、修理が難しい場合、再製作しなければならないこともあります。

グラディアダイレクトなら、歯自体が欠けたようなケースは別として、多くの場合修理可能です。

・金属アレルギーの心配がない

ダイレクトボンディング治療で使うコンポジットレジンは、金属素材を一切使っていません。

銀のクラウンやインレーと違い、歯科用金属に金属アレルギーがある患者さんにも適用できます。

ダイレクトボンディング治療のデメリット

・治療が難しい

前述のように、きれいに仕上げるのはなかなか難しいのが実情です。

きれいな見た目が得られるかどうかは、ドクターの技術に大きく依存しています。

・大きな虫歯治療には向いていない

ダイレクトボンディング治療での治療に適応があるのは、基本的に小さな虫歯治療、欠けた部分が小さい歯の治療だけです。

神経を取り除かなければならないような大きな虫歯の治療では、歯全体に被せ物をする必要があるので、ダイレクトボンディング治療は向いていません。

■グラディアダイレクトの特徴

グラディアダイレクトもダイレクトボンディング治療の一種ですので、ダイレクトボンディングの特徴を受け継いでいます。

それに加え、下記のような利点を持っています。

仕上がりがきれい

前述のように、グラディアダイレクトは、フィラーという成分に優れた特徴があります。

しかも、千差万別な歯の色合いに対応するため、色の種類は基本となるものだけでも27色もあります。

もし、それらでは対応できない場合は、調合することで歯に合わせた色合いを作り出すことも可能です。

この結果、グラディアダイレクトで治すと、本物の歯のような色合い、透明感、光沢感を備えた仕上がりにすることができます。

天然の歯のような仕上がりになる治療法は、ラミネートベニアなどいろいろありますが、歯型を取らず、歯を削る量を最小限にとどめることができるのは、グラディアダイレクトならではの利点です。

強度が高い

保険診療のコンポジットレジンは、強度が弱いので、欠けたり、表面がザラザラと荒れたりすることが多いです。

そのため、欠けやすい縁の部分から隙間ができて虫歯のような症状が再発することも珍しくありません。

グラディアダイレクトは、フィラーの特性によって強度や耐久性が高められていますので、保険診療のコンポジットレジンでみられる強度上のリスクを低く抑えています。

色合いの変化が少ない

保険診療のコンポジットレジンでは、詰めた当初は白い色合いで銀と比べて目立ちにくいのですが、時間の経過に伴い少しずつ黄色味を帯びるようになってきます。

一度変色したコンポジットレジンが気になるなら、除去して詰め直さないと改善できません。

一方、グラディアダイレクトもレジンですが、色が変化することはほとんどありません。

着色汚れがついた場合でもグラディアダイレクト自体の変色ではないので、クリーニングして研磨すれば、元のきれいな状態に容易に戻せます。

簡単なメンテナンスだけで、長期にわたって天然の歯のような美しい色合いを維持できるのもグラディアダイレクトの利点のひとつです。

■まとめ

今回は、グラディアダイレクトによる治療が難しいとされる理由についてお話ししました。

グラディアダイレクトが難しい理由は、お口の中で直接治療するダイレクトボンディング治療だからです。

視野が狭いうえに、影も出やすい、しかも道具も入れにくいお口の中で直接治療するのですから、無理もない話です。

しかし、当院はグラディアダイレクト治療の経験が豊富です。

一般的には難しいと思われがちな部位の治療も対応できます。

グラディアダイレクトで治療すると

①本物の歯のような仕上がりが得られる

②色合いの変化が起こりにくい

③強度が高い

などの利点が得られます。

もし、ご興味をお持ちになったら、経験豊富な当院で一度ご相談ください。

大田区鵜の木にある野原歯科医院

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