こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。
本日は、厄介な虫歯”小窩裂溝齲蝕”を防ぐ予防歯科の重要性についてお話しします。
虫歯は進行すればするほど、治療が難しくなりますので、できるだけ早い段階、すなわち小さなうちに発見し、治療に取りかかるのがベストです。
もちろん、虫歯にならなければそれに越したことはありません。
ところが、中には「気づいたときにはとても大きくなっていた」ということも珍しくない厄介な虫歯もあります。
そのような厄介な虫歯のひとつが”小窩裂溝齲蝕”という虫歯です。
小窩裂溝齲蝕は厄介なので、予防歯科がより重要とされています。
今回は、厄介な虫歯”小窩裂溝齲蝕”を防ぐ予防歯科の重要性についてお話しします。
小窩裂溝齲蝕について
まず、小窩裂溝齲蝕について説明します。
小窩裂溝齲蝕とは
小窩裂溝とは、歯の表面にある小さな窪みや穴、溝のことです。
ここでいう窪みや穴は、正常なものを指し、虫歯やすり減って生じたものは含まれません。
そして、齲蝕(う蝕)は、虫歯という意味の言葉です。
したがって、小窩裂溝齲蝕は、歯の表面にある小さな窪みや穴、溝に生じた虫歯という意味になります。
小窩裂溝齲蝕の特徴
小窩裂溝部分の虫歯は、とても厄介な特徴を持っています。
一見すると小さな虫歯
小窩裂溝に虫歯が生じたとして、ほとんどの場合はごく小さな穴しか見られません。
奥歯なら、黒くなっても見えないことも珍しくないです。
歯の輪郭は変わっていないので、虫歯ができていることに気がつかない方も多いです。
内部で広がりやすい
先ほどお話しした通り、小窩裂溝齲蝕は、一見したところでは、とても小さな虫歯です。
小さなままならいいのですが、歯の内部で意外と広がっていることが多いのです。
歯の大部分は象牙質でできており、象牙質の外側をエナメル質で覆っています。
エナメル質は、骨よりも硬く、身体の中で最も硬い組織と言われています。
一方、象牙質はそうではなく、比較的やわらかめになっています。
エナメル質は骨よりも硬いだけあって頑丈で、虫歯菌の作り出す酸(乳酸)に溶かされにくいのですが、象牙質はそうではありません。
このため、エナメル質がなかなか溶かされず、エナメル質の穴が大きくならないうちに、溶かされやすい内部の象牙質が早く溶かされてしまうので、内部で広がりやすいのです。
痛くないことも多い
一般的に虫歯が進行すると、冷たいものや暑いもので痛みを感じるようになります。
ところが、小窩裂溝齲蝕の場合、表面の穴が小さく、冷たいものや熱いものの刺激が伝わりにくいからか、痛みを感じないことも多いです。
痛みや違和感があれば歯科医院で診てもらおうと思えるのですが、小窩裂溝部分の虫歯は痛みを感じにくいので、そのような気持ちが生まれにくいです。
小窩裂溝部分の虫歯は、見た目の点からも感じ方の点からも気づきにくいので、気づいたときには大きな虫歯になっていることも珍しくない厄介な虫歯なのです。
小窩裂溝齲蝕の予防法
なかなか気づくこともなく、気がついたら大きく広がっていたという状態になりかねない小窩裂溝齲蝕は未然に防ぎたいところです。
そこで、予防歯科の出番です。
プラークコントロール
虫歯の原因は、歯を溶かす乳酸を作り出す虫歯菌です。
ストレプトコッカス・ミュータンスという名前を聞いたことがあるかもしれませんが、ミュータンスは虫歯菌の代表格とも言える細菌です。
虫歯菌自体はミクロの生き物なので見えませんが、それがたくさん集まって見えるようになります。
それがプラークです。
プラークの中には、虫歯菌だけがいるのではなく、歯周病の原因菌など歯のトラブルの原因となる細菌がたくさんいます。
プラークコントロールはプラークを取り除くことをいいます。
日常の歯磨きで、効果的にプラークコントロールを行うために、予防歯科では、個人個人に適した歯ブラシや歯間ブラシの紹介、歯磨きの方法のご説明などを行っています。
シーラント
シーラントは、小窩裂溝をセメントやコンポジットレジン(プラスチック)で塞ぐ処置です。
小窩裂溝部分を物理的に塞ぐことで、食べかすや虫歯菌が入り込まなくなり、虫歯を防ぐというわけです。
シーラントで塞ぐ際には歯を削ることはなく、そのまま直接詰めますので、痛みや不快感を感じることはありません。
また、ごく初期の小さな虫歯が小窩裂溝部分に生じていたとしても、シーラントをすれば進行をくい止める効果も得られます。
小窩裂溝部分の虫歯予防にシーラントはとても効果的なので、予防歯科でもシーラントによる虫歯予防も重視しています。
フッ素
フッ素には、”虫歯菌の活動性を下げる効果””歯を酸にとかされないよう強くする効果””溶かされた歯を元に戻す効果”があり、これらの働きで虫歯を防ぎます。
フッ素の使い方は、”フッ素入り歯磨き粉による歯磨き””フッ素入り洗口液による定期的なうがい””歯科医院でのフッ素塗布”の3つです。
いずれの使い方にも優れた特徴があり、どれか一つに限って行うのではなく、それぞれ3つを上手に組み合わせてフッ素を歯に作用させることが大切です。
特に、最後のフッ素塗布は、他の方法と比べて、”歯を酸にとかされないよう強くする効果””溶かされた歯を元に戻す効果”が最も高いです。
しかも、溶かされた歯を元に戻そうとするときにフッ素を歯に取り込ませる働きも強いので、予防歯科では、フッ素塗布も重視しています。
まとめ
今回は、小窩裂溝部分の虫歯を防ぐ予防歯科の重要性についてお話ししました。
小窩裂溝は、歯の表面の小さな窪みや穴、溝の総称です。
この部分は磨きにくいので虫歯になりやすいのですが、”内部で広がりやすい””痛みを感じにくい”など厄介な虫歯になることが多いです。
気づいたときには大きな虫歯になっていることも珍しくなく、その点で予防歯科で小窩裂溝部分の虫歯を予防するのはとても大切です。
小窩裂溝部分の虫歯は、シーラントという窪みや穴、溝を塞ぐ処置に加え、通常のプラークコントロールやフッ素で防ぎます。
当院は、小窩裂溝部分の虫歯はもちろん、その他の虫歯予防も重視し、予防歯科に取り組んでいます。
予防歯科に関心のある方は、当院で一緒に虫歯予防に取り組んでいきませんか。
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