PMTCとその他の歯のクリーニングの違い

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、PMTCとその他の歯のクリーニングの違い についてお話しします。

現在、歯科医院で行われている歯のクリーニングの種類は、PMTC、ポリッシング、スケーリング・ルートプレーニングの主に3種類です。

歯のクリーニングとひとくくりで表現しているのでわかりにくいですが、実はそれぞれ全く異なる処置です。

その中でも、PMTCは虫歯や歯周病などの歯のトラブルを予防するために、予防歯科でとても重要視されている処置です。

PMTCとその他の歯のクリーニングの違いは一体何なのでしょうか。

今回は、PMTCとその他の歯のクリーニングの違いについてお話しします。

歯のクリーニングの種類

まず、歯のクリーニングの種類について、ご説明します。

PMTC

PMTCは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの頭文字をとった言葉で、スウェーデンのアクセルソン博士によって提唱された処置です。

日本語に訳すと、プロフェッショナルの手による専用の(電動)器械を使用した歯の清掃となります。

ここでいうプロフェッショナルとは、日本では歯科医師や歯科衛生士を指します。

ちなみに、スウェーデンにはデンタルナースという職種もあるようです。

PMTCは歯科医師や歯科衛生士が行うという点がポイントです。

例えば電動器械のひとつである電動歯ブラシを使ってご自身で行う歯磨きは、PMTCには当てはまらないということになります。

ポリッシング

ポリッシングとは、英語の辞書をひくと”研磨”と書かれています。

すなわち磨くことですね。

したがって、歯のポリッシングは、日本語にすると歯面研磨と訳されています。

PMTCと同じく電動器械を使うこともあれば、とても細かな研磨剤を吹きかけることもあります。

スケーリング・ルートプレーニング

スケーリング・ルートプレーニングは、スケーラーという器械を使う歯のクリーニングです。

スケーラーには、超音波スケーラーという振動を与えるタイプと、ハンドスケーラーという手用タイプの2種類あります。

超音波スケーラーが、広い範囲をスピーディーにきれいにできるのに対し、ハンドスケーラーは、細かいところを念入りにきれいするのに適しています。

スケーリング・ルートプレーニングでは、症状に応じ両者を使い分けて、歯のクリーニングを行います。

取り除くものの違い

PMTC、ポリッシング、スケーリング・ルートプレーニングでは、取り除くものも異なります。

PMTC

PMTCで取り除くものは、歯の表面についているプラークです。

プラークの中身は、細菌の塊で、虫歯や歯周病などの歯のトラブルを引き起こす原因菌もここにいます。

プラーク=細菌塊ということから、最近ではプラークではなく、バイオフィルムというように呼び方が変わってきましたが、ここでは従来通りプラークとします。

PMTCでは、歯の表面と歯肉の縁から1~3mm程度下方までの範囲のプラークを取り除きます。

これより深いところのプラークは、通常のPMTCでは届きにくいので、原則的にPMTCの範囲はここまでとなります。

ポリッシング

ポリッシングの定義では、ポリッシングは歯の外来性沈着物を除去する処置とされています。

外来性沈着物というと難しい言葉に思われるかもしれませんが、簡単にいうとステイン、すなわち着色汚れです。

着色汚れには、病原性がありませんから、ポリッシングは治療上の処置ではなく、見た目を改善する美容上の処置ということになります。

確かに、PMTCでも着色汚れは取り除けますが、それはあくまでもプラークを取り除く副産物といったところです。

PMTCの目的とするところではなく、着色汚れの除去はポリッシングの役割です。

スケーリング・ルートプレーニング

スケーリング・ルートプレーニングが取り除くのは、歯石です。

歯石は、プラークが古くなって石のように硬くなったものです。

実は、歯石がついているだけで歯肉が腫れて歯周病の原因になるのですが、歯石は新たにプラークがつく温床にもなる厄介な代物です。

スケーリング・ルートプレーニングは、この歯石を取り除くことで、歯周病の改善を目指しています。

つまり、スケーリング・ルートプレーニングは歯周病という歯の病気の予防ではなく、治療を目的としていることになりますね。

取り除くものの違いをまとめてみると

PMTCはプラーク(バイオフィルム)、ポリッシングは着色汚れ(ステイン)、スケーリング・ルートプレーニングは歯石というように、それぞれ異なります。

このため、それぞれの処置の目的にも、PMTCは病気の予防、ポリッシングは美容、スケーリング・ルートプレーニングは病気の治療と違いが生まれています。

処置の対象となるところの違い

PMTC、ポリッシング、スケーリング・ルートプレーニングの各処置は、対象となる場所にも違いがあります。

PMTC

PMTCは、歯の表面から歯肉の縁より1~3mmほどの深さまでの範囲のキーリスクとなるところを対象としています。

キーリスクとなるのは、日常のブラッシングでプラークコントロールできていないところや、プラークがたまりやすいところです。

キーリスクとなるところは、虫歯や歯周病などの歯のトラブルの原因になりやすいので、PMTCではこの部分のプラークを選択的に除去します。

キーリスクとなっていないところは、特に処置しなくてもきれいなのでPMTCの必要はないというわけです。

ポリッシング

ポリッシングの対象となるのは、歯の表面の着色汚れや微細な表面の荒れている部分です。

したがって、着色汚れの予防になります。

スケーリング・ルートプレーニング

スケーリング・ルートプレーニングの対象となるのは、歯石がついているところです。

歯の表面についている歯石も、歯肉の縁より下についている歯石も、対象になります。

言い方を変えれば、歯石がついていない歯は、対象外ということです。

対象の違いをまとめてみると

PMTCは、虫歯や歯周病などのリスク部位を対象としているのに対し、ポリッシングやスケーリング・ルートプレーニングは必要なところを対象としている点で異なります。

まとめ

今回は、PMTCとその他の歯のクリーニングの違いについてお話ししました。

現在、行われている歯のクリーニングは、PMTCの他、ポリッシング、スケーリング・ルートプレーニングがあります。

それぞれ、取り除くものは、

①PMTC:プラーク(バイオフィルム)

②ポリッシング:着色汚れ

③スケーリング・ルートプレーニング:歯石

対象としている場所は

①PMTC:キーリスクとなるところ

②ポリッシング:着色汚れのついているところ

③スケーリング・ルートプレーニング:歯石のついているところ

というような違いがあります。

PMTCをはじめとする歯のクリーニングにあたっては、それぞれの違いを理解して私たち歯科医療者は、処置を進めています。

今度、歯のクリーニングを受けるときは、このような視点で見てみると面白いかもしれませんよ。

当院では、PMTCをはじめ、歯のクリーニングを通して、歯周病の治療のみならず、虫歯や歯周病の予防にも積極的に取り組んでいます。

予防歯科にご興味のある方は、当院でぜひご相談ください。

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