こんにちは。
野原歯科医院院長の野原行雄です。
今回は「歯が入り込んでしまったり、位置が変わってしまったときの注意点」を説明させて頂きます。
顔面を転倒や事故、スポーツなどにより打撲したとき、歯に強い力が加わることで、歯が歯ぐきの中に入り込んだり、歯の位置が変わってしまったりすることがあります。
歯が歯ぐきの中に入り込むことを陥入(かんにゅう)、歯の位置が変わってしまうことを歯の転位(てんい)といいます。
ケガをした結果、歯に陥入や転位が起こったとき、歯科医院を受診するまでの間、どのようなことに注意しなければならないのでしょうか。
今回は、歯が外傷によって陥入や転位を起こしたときの注意点についてご紹介します。
■歯の陥入の特徴
歯の陥入は、骨の中に完全に入り込む完全陥入と、骨の中に入り込んでいるが完全に入り込んではおらず、隣の歯と比べて歯の長さが短くなったように見える部分陥入に分けられます。
歯が骨に入り込む際、骨にかなりのダメージが加わります。
特に完全陥入の場合は、歯が丸ごと骨の中に入り込むわけですから、かなりのダメージなので出血や痛みがかなり強くなります。
完全陥入したのか歯が抜けてしまったのかの見極め方
完全陥入したら歯が見えなくなりますので、一見すると歯が抜けてしまったように見えます。
ケガをした直後なら、出血や痛みのためみお口の中を冷静に見ることはなかなか難しいものです。
ケガをした方やその介抱をしている方が、完全陥入かどうかを見極める必要はありませんが、ケガをした周囲の環境を見回して、歯が落ちていなかったら、歯が完全陥入した可能性が高いです。
抜け落ちた歯が見つかったら、歯の陥入は生じていないと判断できます。
ですから、一度歯が落ちていないかどうかを調べてみてください。
もちろん、歯科医院でレントゲン写真を撮影すれば、歯が完全陥入していると骨の中に歯が写りますので明確にわかります。
■歯の陥入時の注意点
ケガをして、歯が歯ぐきに入り込んでしまった時にはどのような点に注意するべきなのでしょうか。
お口の中に砂利が入っているときは
公園や路上で転倒した場合、お口の中に砂利や草木の枝などが入っていることがあります。
出血もしているでしょうが、水で軽くゆすぐなどして、お口の中に入った砂利などの異物を洗い出してください。
歯の表面にこびりついていたり、唇などの入り込んだりして、うがいだけでは取り除けない異物は無理に取り除く必要はありません。
もしうがいした水に、血が混じっていても心配しなくて大丈夫ですよ。
出血しているときは
歯ぐきに入り込んだところから、出血していることも珍しくありません。
それだけでなく、唇など他の部分が裂けて出血していることもあります。
そのようなときは、まず出血を止める必要がありますので、きれいなガーゼがあればそれを出血している部分に当てて、止血を図ってください。
もし、きれいなガーゼがない場合は、ティッシュペーパーでも構いませんが、トイレットペーパーは溶けて傷口に張り付いてしまうのでご注意ください。
欠けているときは
歯が陥入した場合は出血していることが多いので見えにくいのですが、もし歯が欠けているように見えたら、できるなら破片を探していただければと思います。
歯の破片が見つかったとしても、必ず戻せるというわけではありませんが、形によっては歯にくっつけられる可能性もゼロではないからです。
ですが、見つからなくても大丈夫ですから、心配しないでください。
■歯の転位が起こったときの注意点
歯の位置がずれているけれど、お口の中に収まっているときは、どのような点に注意するべきなのでしょうか。
お口の中に砂利などの異物が入っていたら
陥入したときと同じく、もしもお口の中に砂利や草木などの異物が入っていたら、水道水などでうがいして取り除いていただいて大丈夫です。
うがいで取れないときは、無理にきれいにする必要はありません。
出血していたら
歯を打って位置が変わってしまったとき、多くの場合歯ぐきの縁から出血しています。
歯ぐきの縁からの出血だけでなく、唇など他の部分を傷つけて出血していることもあります。
出血を認めた場合は、まずはきれいなガーゼなどで押さえて出血を止めるようにしましょう。
このとき、転位した歯に力をかけすぎないように気をつけてください。
グラグラしている歯は?
転位した歯は、動いていることもあれば、あまり動いていないこともあります。
もし、転位した歯がグラグラと動いていると、衝動的に押さえて動きを止めたくなると思いますが、基本的には触れないようにしてください。
動いているのが気になって、舌で触ったり、噛み合わせている歯を当ててみたりする方もおられますが、こうした行為もグラグラしている歯にとっては良くないので気をつけてください。
■市販の薬は使ってもいい?
陥入や転位が起こったときの痛みはなかなか強いものがあります。
すぐに歯科医院を受診していただくのが一番ですが、夜間や休日などすぐに受診できないときは、市販の痛み止めの薬を購入していただいて、服用してください。
■まとめ
今回は、歯の陥入と転位についてお話ししました。
陥入は、歯が歯ぐきの中に入り込んでしまった状態、転位は歯の位置が変わった状態を指します。
どちらの場合も、出血していたら、まずは止血するようにしてください。
きれいなガーゼがあればそれを使っていただき、もしなければティッシュペーパーで代用して、出血箇所をしっかりと押さえてください。
このとき、歯を押さえたりしないように注意してください。
そして、できるだけ早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
大田区鵜の木にある野原歯科医院
野原歯科医院は多摩川線鵜の木駅より徒歩6分のところにございます。
提携駐車場は12台ございます。
野原歯科医院は、大田区鵜の木周辺にお住いの方の歯の健康を第一に考えております。
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