自分にあった歯ブラシをどのように選ぶべきか

■はじめに

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。今回は「自分にあった歯ブラシの選び方」を説明します。

虫歯や歯周病を防ぐためには、毎日の歯みがきが欠かせません。

ですが、ただ歯を磨いていればいいというわけではありません。

ご自身にあった歯ブラシを選んで歯みがきをしないと、虫歯や歯周病の予防効果が得られないだけでなく、かえって歯茎を傷つけたり、磨き残しによって虫歯を作ったりする可能性すらあります。

そこで、今回は、ご自身にあった歯ブラシの選び方について解説します。

■形からの歯ブラシの選び方

歯ブラシのヘッドの大きさ

歯ブラシのヘッドのサイズは、いろいろな種類があります。

一般的には、上顎の前歯を基準にして選びます。

ヘッドの大きさを選ぶときには、上顎の前歯2本分の幅と同じくらいの大きさが推奨されます。

ですが、奥歯を磨く時にえづきやすいような場合や、一本一本丁寧に磨きたい方は、これよりも少し小さめのサイズにするといいでしょう。

歯ブラシの毛の硬さ

市販されている歯ブラシのパッケージを見てみてください。

『ふつう』『やわらかめ』『かため』など3種類の硬さが表示されていることがわかります。

『ふつう』は、一般的におすすめされるタイプの硬さで、歯の掃除効率に優れています。

特に気になる点がない場合は、『ふつう』を選ぶと間違いないでしょう。

『やわらかめ』は、歯周病で歯茎が弱っている方におすすめです。 『かため』は、障害がある方など、磨く時の手の力が弱い方に適しています。

単に歯の汚れを落とすだけなら、『かため』>『ふつう』>『やわらかめ』となります。

ですが、健康な方が『かため』を選ぶと、歯茎を傷つけたり、歯が過度にすり減ってしまう可能性が高いので、歯の汚れを落とす効率は高いのですが『かため』を選ぶのは避けたほうがいいでしょう。

歯ブラシの毛先

多くのメーカーで作られている歯ブラシの毛先は、名称に違いはありますが『先細毛・超先細毛』『四角断面毛』『3本毛』の3種類です。

『先細毛・超先細毛』は、虫歯予防や歯周病予防に適した毛先になっており、歯と歯茎の間の歯周ポケットや、歯と歯の間をきれいにしやすいのが特徴です。

『四角断面毛』は、歯の表面についた汚れを効率的に取り除けるので、ステイン汚れを予防したい方におすすめです。

『3本毛』は、歯茎への刺激が優しいので、歯周病で歯茎が弱っている方や、歯がグラグラしている人、出血しやすい人に適しています。

ハンドル部分

歯ブラシのハンドル部分、つまり持ち手の部分の形も、反っているものや、角ばっているもの、平たいものなどいろいろなものがあります。

手に力が入りやすい人や、強い力で歯を磨いてしまうような方は、まっすぐで細めのハンドルがおすすめです。

一方、高齢者の方やお子さんなどしっかりと歯ブラシを握れない方や、障害があって手に力が入りにくい方は、太めのハンドルが適しています。

■目的別の歯ブラシの選び方

虫歯予防

虫歯予防を重視して歯ブラシを選ぶ方は、ヘッドの大きさは『上顎の前歯2本分』、毛先の硬さは『ふつう』がおすすめです。

歯周病予防

歯周病予防に重点をおいた歯ブラシ選びをするなら、ヘッドの大きさは『上顎の前歯2本分』、毛先の硬さは『ふつう』で、毛先の形は『先細毛・超先細毛』がいいでしょう。

もし、歯茎が腫れているなら、毛先の硬さは『ふつう』〜『やわらかめ』、毛先の形は『3本毛』がおすすめです。

子供さん

子供さんの歯ブラシは、ヘッドの大きさは『小さめ』、毛先の硬さは『やわらかめ』、ハンドルは『太め』がおすすめです。

障害者・高齢者

障害者・高齢者に適した歯ブラシは、ヘッドの大きさは『上顎の前歯2本分』、毛先の硬さは『ふつう』〜『かため』、ハンドルは『太め』がおすすめです。

■年齢別の歯ブラシの選び方

歯ブラシは、年齢別にいろいろなタイプが発売されています。

乳幼児用歯ブラシ

乳幼児用歯ブラシは、ハンドルが太めに、そして全体的に短く作られており、握りやすく、奥まで入らないように作られています。ヘッドは小さめです。

仕上げ用歯ブラシ

乳幼児の保護者の方が、仕上げ歯みがきをするときに使いやすく作られた歯ブラシです。

ヘッドの大きさは、乳幼児用歯ブラシと同じくらいのサイズですが、大人が持ちやすいように全体がより長く作られています。

学童用歯ブラシ

乳歯から永久歯に生え変わる時期に使いやすくデザインされた歯ブラシです。

この時期の歯並びは、凸凹としているのが特徴なので、凸凹としていても歯みがきがしやすいように、ヘッドは小さめです。

ですが、乳幼児用歯ブラシよりも奥まで届きやすいように、少し長めのハンドルになっています。

成人用歯ブラシ

乳歯が永久歯に完全に生え変わったら、大人用の歯ブラシで十分磨けるようになります。

したがって、中学生以降のお子さんは、保護者の方が使っている普通の歯ブラシを使うようにしてください。

■まとめ

考古学の研究によると、人類は数千年前から歯みがきを習慣としていたことが明らかになっています。

昔から人類は歯を磨くことで、お口の健康を守っていたわけですね。

ですが、現在のような歯ブラシがなかった時代では、今ほど効果的な歯磨きはできなかったことでしょう。 お口の健康を守る第一歩は、ご自身に適した歯ブラシを選ぶことです。

今回紹介した歯ブラシの選び方を参考にして、虫歯や歯周病を防いでください。

大田区鵜の木にある野原歯科医院

野原歯科医院は多摩川線鵜の木駅より徒歩6分のところにございます。

提携駐車場は12台ございます。

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