うがいをする。うがいをしない。
これは歯磨きの時に使用する歯磨剤(歯みがきチューブ)のフッ化物をうがいで出してしまう。出さない。の違いです。
フッ化物は歯の表面が酸などで溶けたエナメル質を修復する時に使われます。何十年と過酷な環境下の歯が少しずつ溶けてなくならないのは修復されているからです。
また、萌出したばかりの歯は、フッ化物を取り入れることにより、むし歯を防ぐことができます。子供にフッ化物を塗るのはそういう理由からです。ただし何年も経過するとその差がなくなるのは、飲食物からフッ化物を取り入れているからです。だから、保護者の皆さん、子供にフッ素を歯科医院で塗布していなくても心配いりませんよ。また、大人にはそのためにフッ化物の塗布はありません。
さて、うがいをしない考え方はスウェーデンのイエテボリ法ですが、日本で浸透しない理由は私は次のように考えています。
フッ化物がむし歯予防に効果がある事は一般によく知られています。そのため、ヨーロッパの一部の国ではフッ素を水道水に混ぜています。日本でも今から100年ほど前に京都で水道水にフッ素を入れる実験をしたところ、永久歯のエナメル質に白濁を生じる副作用が出てしまいました。このことにより、日本ではフッ素に過敏になりました。
よく聞くホワイトニング。過酸化尿素などの薬品で歯を漂白する方法です。アメリカのホワイトニングの薬品と日本での認可されている同じアメリカの薬品の濃度は違います。パッケージは同じですが、日本で認可されている物は濃度が低いのです。副作用に歯がしみるようになる事がありますが、日本人の歯はデリケートだからだと考えています。
フッ化物もそのような事から慎重だったのだと思います。また、50年前に日本での歯磨剤にフッ化物を入れた時期がありましたが、発ガン性物質との考え方により添加されなくなりました。その時のWHO(世界保健機関)と厚生省(現在の厚生労働省)のフッ化物に関する安全性および効能については、一部相反する見解が示されています。
さて、歯みがき剤をうがいをする、しないはその前の、正しい磨き方でよく磨いていただく事が大前提です。歯みがき剤を使用しなくてもむし歯はできません。イエテボリ法を過信すると、磨き方が不良になり、歯周病になる可能性があります。
ちなみに日本の緑茶には500ppmの濃度のフッ化ナトリウムが含まれています。お団子に緑茶。なんと、科学的な組み合わせなんですね。日本の伝統的な生活には、ただ驚かされるばかりです。
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