白板症(はくばんしょう)

白板症とは?
「前癌病変」とほとんどの歯科医師は答えます。
その癌ではない白板症をどうとらえるかというディスカッション形式の講習会に参加しました。

平成29年1月19日
東京都立心身障害者口腔保健センター 研修室
講師 日本歯科大学附属病院 口腔外科 准教授 足立雅利 先生
テーマ「白斑を主徴とする疾患~どのようにマネジメントしてゆけば良いか~」

かなり内容の濃い講習会でした。
詳しくは専門的すぎるので今回の講習会から得られたことを一言で述べると
前癌病変は癌ではないので経過観察を定期的に行うというものでした。

参加したほとんどの歯科医師は生検(患部の一部を針などを使って顕微鏡で調べること)を行うと考えました。
しかし癌化する割合が4%から18%であることや、これまでに白板症の悪化を防ぐ効果的な治療法のエビデンス(根拠)がないこと、また治療は病変の消失には効果的かもしれないが白板症の再発や、治療の副作用が起こることを考慮すると経過観察をすることが多いとの事でした。

アンジェリーナ・ジョリーが乳癌予防のためだけに乳腺切除手術を行った治療、前癌病変の組織を定期的に経過観察だけをするという白板症の治療、考えさせられる講演でした。

ただしすべては病んでる人のために、と強調されていたのが印象的でした。