こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。
本日は、せっかく治した歯を長持ちさせるには予防歯科が一番効果的 についてお話しします。
虫歯や歯周病になると、何回も何回も歯科医院に通って、治療を受けます。
せっかく時間をかけて治した歯が、また虫歯や歯周病になってしまったら、再び同じように何回も歯科医院に通わなくてはならなくなります。
セラミックのような高価な治療をした歯がダメになってしまうと、また高いお金を払わなければ、同じ状態に戻せなくなってしまいます。
では、一度治した歯を長持ちさせるにはどうすればいいのでしょうか。
その答えが、予防歯科です。
今回は、治した歯を長持ちさせる予防歯科についてお話しします。
一度治した歯がダメになってしまう理由
治療を終えたはずの歯が、再び悪くなってしまうのはどうしてでしょうか。
虫歯の再発
虫歯は一度治しても、再発してしまうことも珍しくありません。
特に、神経をとった歯は、弱くなる上、虫歯の痛みを感じることがないので、虫歯が再発しても気がつかないので、より注意が必要です。
虫歯治療では、虫歯で失われた部分を人工材料で補って治す修復治療が主流です。
言い方を変えれば、元に戻ったように見えるだけで元に戻ったわけではなく、虫歯は小さくなった歯に再発するので、虫歯が再発すると歯がさらに小さくなってしまいます。
これが繰り返されると、歯そのものがなくなってしまい、抜歯せざるを得なくなります。
歯周病の再発
歯周病は、歯周病菌が原因で起こる病気です。
歯周病菌は何百種類もあるので、完全に無くしてしまうことはできませんので、一度歯周病になると、歯周病が再発する可能性は高いです。
困ったことに、歯周病はサイレントキラーと呼ばれるように、自覚症状が出にくく、静かに進んでいき、気づいたときには歯が抜けてしまうことも多いです。
例えセラミックなど高価な治療を受けた歯であっても、歯周病になれば、歯そのものがなくなってしまう恐れがあるので、歯周病は無視できない恐ろしい病気です。
歯根破折
歯根破折は、歯の根が折れてしまうことで、神経をとってそこに芯を立てた歯に生じやすい傾向があります。
現在のところは、折れた歯の根をくっつける方法はなく、そのままでいるとそこから細菌感染が生じ、歯の根の周囲に膿を作ってしまいます。
このため、歯根破折した歯は、原則的に抜歯となります。
歯根嚢胞
歯根嚢胞は、歯の根の先に出来た膿の袋のことです。
通常は痛みや腫れはなく、知らないうちにどんどん大きくなっていきます。
ある日、急性化すると突然、痛みや腫れが生じて、レントゲン写真を撮ってみたところ、歯根嚢胞の発生に気がつくということが多いです。
歯根嚢胞も小さければ、歯を残しつつ歯根嚢胞だけを取り除いて治すという選択肢もあるのですが、大きくなりすぎると歯と一緒に歯根嚢胞を摘出しなければならなくなります。
一度治療した歯を長持ちさせるためには・・・
では、一度治した歯を長持ちさせるにはどうすればいいのでしょうか。
虫歯予防と歯周病予防
長持ちさせる基本は、虫歯予防と歯周病予防です。
なぜなら、一度治した歯がダメになってしまう理由のほとんどが、虫歯や歯周病の再発だからです。
しかも、素晴らしいことに、虫歯の再発や歯周病の再発を防ぐ方法はすでに明らかになっています。
ならば、虫歯と歯周病の予防に取り組まない手はありませんよね。
治した歯を長持ちさせる予防歯科の方法
予防歯科で虫歯や歯周病の再発を予防するために取り組んでいる手法についてお話しします。
プラークコントロール
プラークとは、歯の表面についている白いカスのような付着物のことで、プラークコントロールは、プラークを取り除くことをいいます。
実はこのプラーク、歯にとってもとても有害です。
プラークの中には虫歯や歯周病の原因となる細菌がとてもたくさん、潜んでいます。
したがって、虫歯や歯周病を予防するには、プラークコントロールがとても重要です。
予防歯科では、プラークコントロールにいくつかの方法で取り組んでいます。
①スケーリングとルートプレーニング
スケーリングとルートプレーニングは、歯の表面についている歯石を取り除く処置です。
歯石はプラークが古くなってできたものです。
その表面はとても凸凹としており、新しいプラークが付着する土台になります。
歯石を取り除く過程で、歯石と同時にプラークも取り除けます。
スケーリングとルートプレーニングには歯石を取り除くと同時にプラークも除去できます。
②歯面清掃
歯面清掃は、専用の器械とペーストを使って歯の表面をツルツルに磨き上げる処置です。
歯の表面がツルツルになると、プラークがつきにくくなりますので、プラークコントロールの効率が高まります。
③ブラッシングの指導
ブラッシング、すなわち毎日の歯磨きは、プラークコントロールの基本です。
毎日歯科医院で歯のクリーニングをしていただくわけにはいかないので、ブラッシングでプラークコントロールをしっかりすることはとても大切です。
歯の並び方や歯の形、歯の大きさは人それぞれ違います。
合った歯磨きの仕方も当然異なります。
そこで、ご自身に合った歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどの歯磨きグッズなどをご案内します。
そして、それらの効果的な使い方を説明し、毎日のブラッシングで効率的にプラークコントロールができるようにします。
フッ素
フッ素は、歯周病には効果がありませんが、虫歯予防にはとても高い効果があることがわかっています。
予防歯科では、フッ素の歯面塗布を行い、虫歯の再発を予防しています。
フッ素の歯面塗布を受けると、虫歯菌に溶かされた部分が元に戻る再石灰化のときに、唾液のミネラル成分と一緒にフッ素も歯に入り込みます。
フッ素の利用法は、このほかにフッ素入り歯磨き粉での歯磨きやフッ素入り洗口液でのうがいがありますが、フッ素が歯に入り込む効果はフッ素塗布が一番高いです。
しかも、数ヶ月おきに塗布を受ければ十分というほど長く効果が保たれるという利点も備えています。
まとめ
今回は、一度治した歯を長持ちさせる予防歯科の優れた効果とその方法についてお話ししました。
一度治した歯がダメになってしまう理由のほとんどは
①虫歯の再発
②歯周病の再発
ですので、いずれも予防歯科で防ぐことができます。
一度治した歯が再び傷まないようにすることも、予防歯科の重要な役割のひとつです。
当院では歯の健康にとって、予防歯科が重要であると考えており、予防歯科を重視して推進しています。
もし、一度治した歯を少しでも長持ちさせたいと思っているなら、当院でぜひご相談ください。
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