こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。
本日は、似ているけど実は違う、定期検診と定期管理の違い についてお話しします。
虫歯予防や歯周病予防では、しばしば定期的に歯医者さんで検診を受けましょうと言われます。
いわゆる定期検診ですね。
もちろん、予防歯科では定期検診によって、歯やお口の異常を早期発見しようとします。
ところが、定期検診より大切なものがあります。
それが、定期管理です。
定期検診と定期管理、言葉はとても似ていますが、両者は全く異なります。
今回は、定期検診と定期管理の違いについて、ご説明します。
定期検診と定期管理について
まず、定期検診と定期管理についてご説明します。
定期検診とは
定期検診とは、歯やお口に虫歯や歯周病などのトラブルが生じたときに、できるだけ早い段階で見つけて、小さいうちに治してしまうことで、大きなトラブルに発展しないようにすることです。
要するに、虫歯や歯周病などになった場合に、それを早期発見・早期治療することです。
定期管理とは
定期管理とは、歯やお口に虫歯や歯周病などのトラブルが起こらないように、歯やお口を管理して、トラブルを予防することです。
簡単にいうと、虫歯や歯周病などが起こる前に、その芽をあらかじめ摘んでしまうのが、定期管理です。
定期検診と定期管理の違い
定期検診と定期管理の違いは、歯やお口にトラブルが起こった後に取りかかる処置か、トラブルが起こる前に行う処置かどうかという点です。
歯やお口に虫歯や歯周病などのトラブルが、たとえごく初期の小さな段階でも生じていたら定期検診、トラブル自体が起こっていなければ定期管理となります。
定期管理こそが予防歯科
定期管理は、歯やお口の健康状態を良好に保つこととも言い換えることができます。
トラブルそのものが起こらないようにする定期管理こそが、予防歯科の本来の姿と言っても間違いではありません。
予防歯科での定期管理の方法
虫歯や歯周病などのトラブルが起こらないようにするために、予防歯科で取り組んでいる定期管理の方法についてご説明します。
プラーク除去
虫歯や歯周病の原因は、細菌です。
細菌は発生してから時間が経つと、どんどん増えていき、そして接着剤のような成分を出して、歯の表面に強くこびりつくようになります。
これがプラークです。
歯の表面に白いカスのような感じのものがついていたら、それがプラークです。
プラークは、日常の歯磨きで取り除くのが理想的ですが、歯ブラシが当たらないところもあり、完全に取り除くのは、なかなか困難です。
プラークは虫歯や歯周病の原因とも言え、予防歯科では専用の器械を使ってプラーク除去します。
歯石除去
歯石は、プラークが唾液中のカルシウムと結合して、石のように硬くなったものです。
一見するとそうではありませんが、歯石の表面はとてもざらざらとしていて、プラークがくっつく温床になりますので、プラーク除去にとって厄介な邪魔者です。
ところが、歯石は歯ブラシでは取れません。
そこで、予防歯科では、スケーラーという専用の器械を使って、歯はがし石を取り除きます。
患者さんからよく「削っているのか??」と質問を受けますが、削ってはおりません!!!
スケーラーは、超音波タイプと、手用タイプの2種類あります。
超音波タイプは広い範囲についた歯石を効率よく取り除けます。
手用タイプは、少しずつしか取れませんが、細かなところまできれいになります。
歯石の状態によって、使い分けて、歯石をきれいに除去します。
PMTC
PMTCは、専用の器械とペースト(磨き粉)を使って、歯の表面をきれいに磨き上げる処置です。
歯石を取り除いただけでは、歯の表面はまだザラザラしています。
そこで、PMTCを行うことで、歯の表面をさらにサラサラにします。
歯の表面をサラサラにすれば、プラークの足がかりがなくなり、つきにくくなるので、ご自宅での歯磨きでのプラーク除去が容易になります。
ブラッシングの説明
歯の形、歯の大きさ、歯の並び方は、人それぞれ異なり、同じ人は1人としていません。
ですので、歯磨きに適した歯磨きや歯間ブラシなどの歯磨きグッズ、そして磨き方も異なります。
そこで、ご自身に合った歯磨きグッズをご紹介し、それらを使った歯磨きの方法を説明します。
フッ化物(フッ素)
フッ化物は、虫歯菌の活動を抑えたり、溶かされた歯を治したり、歯を虫歯菌の作り出す酸に溶かされにくくしたりする効果があり、虫歯予防にとても効果的です。
予防歯科では、フッ化物の歯面塗布という、フッ化物ペーストを歯に塗布する方法で、虫歯予防に取り組みます。
フッ化物は歯周病には効果はありませんが、虫歯予防にはとても効果があり、予防歯科での定期管理では欠かせません。
噛み合わせのチェック
歯は、少しずつ動いているので、長い目で見れば、歯並び、歯の噛み合わせも変わっていきます。
均等に噛み合わせられていればいいのですが、噛み合わせのバランスが崩れて、どこかの歯に噛み合わせの力が集中すると、歯を支える骨などの歯周組織にダメージが加わります。
そこで、定期管理では噛み合わせの状態もチェックし、噛み合わせの力が歯並び全体に均等に加わるようにします。
まとめ
今回は、歯科での定期検診と定期管理の違いを中心にお話ししました。
定期検診は、『歯やお口にトラブルが生じたときに、早く見つけて小さなうちに治療すること』です。
対して、定期管理は、『歯やお口にトラブルそのものが生じないように予防すること』です。
予防歯科で重要視されるのは、定期管理の方です。
予防歯科では、歯のクリーニングなどを通して歯やお口を定期的に管理することで、虫歯や歯周病自体を起こさないようにします。
当院では、虫歯や歯周病の早期発見、そして早期治療に努めると同時に、それ以上に虫歯や歯周病を起こさない定期管理を重視した予防歯科に取り組んでいます。
虫歯や歯周病の予防に関心のある方は、当院でぜひご相談ください。
大田区鵜の木にある野原歯科医院
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提携駐車場は12台ございます。
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