親知らずを抜いた後の穴に食べカスが詰まったときの対処法

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、親知らずを抜いた後の穴に食べカスが詰まったときの対処法 についてお話しします。

親知らずを抜歯すると、お口の奥の奥に大きな穴が開きます。

この穴は、抜いたところが落ち着くまでは、食べ物が入り込みやすく、多くの方が詰まった食べかすへの対処に困っています。

そこで、今回は、親知らずを抜いた後に食べかすが詰まった場合の対処法についてお話しします。

穴が塞がるまでの期間

親知らずを抜いた後の穴が塞がるまでの期間についてご説明します。

個人差や親知らずを抜いた状況の違いなどにより、塞がるまでの期間は前後しますからご注意ください。

歯肉で覆われるまでの期間

親知らずを抜いてから数日経つと、抜いた穴の縁から歯肉が少しずつ再生を始めます。

抜いたところが、歯肉で覆われるまでの期間は、穴の大きさにもよりますが、おおむね1ヶ月前後です。

骨が再生するまでの期間

親知らずを抜いた穴が歯肉に覆われる頃になると、内部では仮骨という骨の元になるものが作られ始めます。

仮骨は、6~12ヶ月ほどの期間をかけて骨になり、レントゲン写真を撮っても、どこを抜いたのかわからないほどに治ります。

親知らずの抜歯後に穴が生じやすい理由

実は、親知らず以外の歯を抜いても、食べかすが詰まって困るような穴ができることはほとんどありません。

親知らずの向きがよくない

親知らずは、顎の骨の成長が終わった後に生えてくる歯です。

最も奥にあたる歯なので、生えるスペースが不足して、斜め向きになったり、中には上下逆さまになっていたりすることもあります。

まっすぐ生えている歯を抜くと、歯根があったところが血液で塞がれるので穴は生じにくいです。

ところが、斜めになった親知らずは、同じように出血しても、血液が歯冠部分にまで流れるので、歯根が十分血液で塞がれないというわけです。

歯冠部分が塞がりにくい

歯根の周囲には、歯根膜という薄い靭帯のような膜があり、歯根膜が骨と歯を結びつけています。

歯を抜いた後、歯根膜がたくさん残っている方が、治りがよくなることが明らかになっています。

ところが、歯根膜は、歯根部分にしかなく、歯冠のところにはありません。

斜め向きになっている親知らずを抜歯すると、歯冠のあったところも穴になってしまいます。

抜歯した歯冠部分の周囲には歯根膜がないため、穴が塞がりにくい傾向があります。

食べかすが詰まったときの対処法

親知らずを抜いた穴に食べかすが詰まったときの対処法をご説明します。

うがいをする

歯を抜いた当日は、強いうがいはしてはいけません。

強いうがいをすると血餅という弱いかさぶたが取れてしまい、治りが悪くなる可能性があるからです。

黒くドロっとしたゼリー状の物体です。飲み込んでも全く問題はありません。

これを取り去ると、さらさらした赤い血が出て、黒くドロっとした物ができるまで止まりません。

抜いてから間がないうちは、優しくうがいをして、入り込んだ食べかすを取り除いてください。

数日ほど経つと、血餅はかなりしっかりとしたかさぶたになりますから、少々強くうがいをしても大丈夫です。

食べ物が残った感じがするなら、うがいによる水の流れで取り除いてみてください。

ウォーターピックを使う

ウォーターピックとは、ノズルの先端から勢いよく水を噴射して、歯と歯の間に残った食べかすなどを取り除くお口のケア用品です。

水圧は数段階に調整できるように作られていますので、まずは弱めの水圧で穴に残った食べかすを取り除くようにしてください。

抜歯した穴に残った食べ物を効率よく取り除けるのですが、本体が高額なのが難点です。

本来は、ウォーターピックは歯と歯の間をきれいに保つために作られた器械なので、親知らずを抜いた後の穴がなくなったのちは、歯やお口のケアにも活用できますよ。

ワンタフトブラシや歯間ブラシを使う

ワンタフトブラシという毛先が鉛筆くらいの歯ブラシや歯間ブラシで、親知らずを抜いた後の穴をきれいにすることもできなくはありません。

ただし、入れ過ぎるとかさぶたが取れてしまい治りが悪くなる可能性もありますので、ほどほどに止めるのが無難です。

食べかすが詰まったままにしていると起こり得ること

親知らずを抜いた穴に食べかすが残ったままになっているとどのようなリスクが生じるのでしょうか。

化膿

食べかすを栄養源として、そこで細菌が繁殖を始めると、抜歯したところが化膿し始める恐れがあります。

この状態を抜歯後感染とよび、親知らずを抜いた後の治りが悪くなる原因の一つです。

抜いた後は大丈夫だったのに、数日経ってから痛みや腫れが強くなってきたという場合は、抜歯後感染を起こした可能性が疑われます。

口臭

親知らずを抜いた後に限らず、食べかすが残ったままになっていると、そこは細菌が繁殖する土壌になります。

特に嫌気性菌という酸素が少ない環境で増える細菌が増殖すると、硫化水素やメチルメルカプタンなどの臭いのあるガスを作り出します。

すなわち、口臭の原因になることもあるというわけです。

食べかすが詰まっていてもしてはいけないこと

親知らずを抜いた後に食べかすが詰まって気持ち悪くても、してはいけないことがあります。

爪楊枝はダメ

歯と歯の間に食べかすが残ると爪楊枝で取り除きます。

親知らずを抜いた穴に残った食べかすも爪楊枝で取ろうとする人がいますが、爪楊枝の先が抜歯したところを傷つけてしまうことがあるので、爪楊枝を使うのは避けてください。

抜いてから数日の間の強いうがい

親知らずを抜いてから、数日の間はかさぶたが取れやすい状態になっています。

食後の歯磨きでのうがいは、優しくするようにしてください。

強いうがいをするとかさぶたが剥がれてしまい、治りが悪くなってしまう恐れがあるからです。

まとめ

今回は、親知らずを抜いた穴に食べかすがたまってしまう場合の対処法についてお話ししました。

親知らずは、

①向きがよくない

②歯冠部分が塞がりにくい

などの理由により、ほかの歯の抜歯と異なり、穴が残りやすい傾向があります。

もし、穴が残り、食べかすが詰まって困る場合は、

①うがいをする

②ウォーターピックを使う

などの方法を試してみてください。

どうしても取れない場合は、無理に取り除こうとせず、歯科医院できれいにしてもらうようにしてください。

当院では、親知らずを抜いた後のケアにもしっかり取り組んでいます。

親知らずの抜歯後のお口のケアだけでなく、治りに不安のある方も当院で是非ご相談ください。

※当院では、国民皆歯科健診という国の医療政策の方向性が示される前より、歯の健康だけでなく、全身的な健康維持の面から予防歯科に積極的に取り組んでいます。

定期的に行う健診や、予防歯科へのサポートをさせていただきます。

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