麻酔をしても痛み以外の感覚を感じる理由

<p>こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。</p><p style=“margin-bottom:3em”>本日は、麻酔をしても痛み以外の感覚を感じる理由についてお話しします。</p>

 

<p>歯科では、治療中の痛みを防ぐために、麻酔が欠かせません。</p>

<p>「麻酔を受けたはずなのに、どうして感覚があるのですか?」と、ご質問になった方がおられました。</p>

<p>この方のようにお気づきになった方もおられるかもしれませんが、麻酔の注射をしても、感覚そのものがなくなるわけではありません。</p>

<p>歯肉を押さえると押さえられた感じはありますし、抜歯しようとすると歯が引っ張られる感じもします。</p>

<p style=“margin-bottom:3em”>そこで今回は、麻酔をしても痛み以外の感覚を感じる理由についてもお話ししようと思います。</p>

 

<h2>神経の種類</h2>

<p>麻酔の話をする前に、まず麻酔が作用する神経についてお話しします。</p>

 

<h4>麻酔薬が作用するのは末梢神経</h4>

<p>体の隅々にまで行き渡る神経を末梢神経と言います。</p>

<p>末梢神経は、大きく分けると感覚を感じる感覚神経と体を動かすための運動神経に分けられます。</p>

<p>歯科の局所麻酔薬が作用する末梢神経は、このうちの感覚神経です。</p>

<p>感覚神経といっても、伝える感覚は痛みだけではありません。</p>

<p>痛みのほかにも、温度も伝えますし、肌に触れた圧も伝えます。</p>

 

<h3>神経線維の種類</h3>

<p>麻酔と感覚の関係について知っていただくための基本となるのが、神経の構造である神経線維です。</p>

<p>”せんい”は、衣服の場合は”繊維”と書きますが、医学用語では”線維”となっていますので、”神経線維”で間違いはありませんよ。</p>

<p>感覚神経や運動神経などの末梢神経は、役割だけでなく、神経線維によっても幾つかに分けられます。</p>

<p>神経線維の分類というととても難しく思えますが、簡単にいうと太さの違いといった感じです。</p>

<p>細い神経ほど伝わる速さが遅いです。</p>

<p>最も細い神経と、最も太い神経を比べると、伝える速さになんと100倍もの差があります。</p>

<p style=“margin-bottom:3em”>最も細い部類に入るのが痛みを伝える神経で、最も太いのが筋肉を動かす運動神経です。</p>

 

<h2>局所麻酔薬の仕組み</h2>

<p>歯科治療の現場では、『プロピトカイン』『リドカイン』『メピガカイン』などいろいろな局所麻酔薬が現在使われています。</p>

<p>いずれの麻酔薬も、神経の表面を覆う細胞の膜に作用します。</p>

<p>神経細胞では、ナトリウムという物質をやり取りして、痛みの感覚を伝えています。</p>

<p>局所麻酔薬は、このナトリウムのやり取りに作用し、痛みの感覚を伝えないようにしています。</p>

<p>余談ですが、『プロピトカイン』『リドカイン』『メピガカイン』など麻酔薬には『カイン』という名前がついていますよね。</p>

<p>麻薬の『コカイン』にも『カイン』がついています。</p>

<p>コカの葉から作られた『コカイン』は、とても強い局所麻酔薬としての効果を持っています。</p>

<p>今では依存性が問題となり、局所麻酔薬としては使われていませんが、アメリカではかつて局所麻酔薬として歯科治療で使われていました。</p>

<p>実は、『コカイン』は最も初期の局所麻酔薬だったのです。</p>

<p style=“margin-bottom:3em”>歯科治療など医療の現場で使ううちに、依存性の問題が明らかになり麻薬として使用が禁止されたという経緯があります。</p>

 

<h2>歯科の局所麻酔薬の効き方</h2>

<p>局所麻酔薬が、痛みだけを取り除き、そのほかの感覚はほとんど残っている理由についてお話しします。</p>

 

<h3>痛みを感じる神経を狙い撃ち</h3>

<p>麻酔薬は、細い神経ほどよく効きます。</p>

<p>歯科治療で麻痺させたいのは、痛みを感じる神経で、それ以外の神経を麻痺させる必要はありません。</p>

<p>痛みを感じる神経は、神経の中でも最も細い神経の部類に入ります。</p>

<p>このため、弱い麻酔薬でも痛みを感じる神経は十分、麻痺させられます。</p>

<p>ところが、弱い麻酔薬なので、それ以上太い神経たちは麻痺されません。</p>

<p>痛みだけ感じなくなり、たとえば歯が抜かれる感覚などほかの感覚が残るのはこれが理由です。</p>

 

<h3>温度も感じにくくなるのはどうして</h3>

<p>ところで、お気づきになる方はあまりないのですが、痛みを感じなくと同時に、実は温度感覚も感じなくなっています。</p>

<p>これは、温度も感じにくくなるのは、痛みを感じる神経と温度を感じる神経の太さはほとんど同じだからです。</p>

<p>痛みを感じる神経を麻痺させるのと同じくらいの麻酔薬でも、温度の感覚神経は麻痺してしまうわけですね。</p>

<p style=“margin-bottom:3em”>麻酔を受けた後、「熱いものを食べたり飲んだりしないように」と注意されるのは、こうした理由が背景にあります。</p>

 

<h2>まとめ</h2>

<p>今回は、歯科の麻酔が痛みだけを感じなくさせる仕組みについてお話ししました。</p>

<p>痛みは取れるけれど、歯を抜くときの嫌な感じなど痛み以外の感覚が残る理由は、神経線維の太さにあります。</p>

<p>痛みを伝える神経線維は、最も細い部類の神経で、麻酔薬がとても作用しやすく、最小限の濃度で十分痛みが伝わるのをブロックできるからです。</p>

<p>当院では、治療を受ける方々の痛みなどの不快感を少しでも減らすため、注射の麻酔(浸潤麻酔)だけでなく、粘膜表面に塗るタイプの麻酔(表面麻酔)も取り入れています。</p>

<p>麻酔をしっかりと効かせてから処置をしていますが、痛み以外の感覚が残ってしまうのは避けられません。</p>

<p>決して麻酔が効いていないからではないので、安心してください。</p>

<p style=“margin-bottom:3em”>治療中、もし嫌な感じを感じれば、その都度教えていただければ、柔軟に対応しますので、ご安心いただければと思います。</p>

 

<h2>大田区鵜の木にある野原歯科医院</h2>

<p>野原歯科医院は東京にある、多摩川線鵜の木駅より徒歩6分のところにございます。</p><p>提携駐車場は12台ございます。</p><p>野原歯科医院は、東京都大田区鵜の木周辺にお住いの方の歯の健康を第一に考えております。</p><p>東京都大田区鵜の木のかかりつけの歯医者として、お気軽にぜひ、ご相談ください。</p>