知覚過敏と虫歯の違い

<p>こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。</p><p style=“margin-bottom:3em”>本日は、知覚過敏と虫歯の違いについてお話しします。</p>

 

<p>歯がしみて痛くなる病気といえば、何をイメージなさいますか?</p>

<p>多くの方が、知覚過敏や虫歯を連想されることと思います。</p>

<p>先日、歯がしみるということで来院された方がおられました。</p>

<p>診断した結果は知覚過敏だったのですが、このとき、「知覚過敏と虫歯はどう違うのですか?」と聞かれました。</p>

<p>確かに、どちらも歯がしみる病気なので、もっともなご質問です。</p>

<p style=”margin-bottom:3em”>そこで今回は、知覚過敏と虫歯の違いについてお話しします。</p>

 

<h2>原因の違い</h2>

<p>知覚過敏と虫歯では原因が全く異なります。</p>

 

<h3>知覚過敏</h3>

<p>歯は、最も外側の”エナメル質”、内部の”象牙質”、神経がある”歯髄”でできています。</p>

<p>象牙質の中には、歯髄から無数の顕微鏡でしか見えないような細かな枝がのびて広がっています。</p>

<p>この枝を”象牙細管(ぞうげさいかん)”といいます。</p>

<p>象牙細管の中には神経は走っていないのですが、液体が満たされています。</p>

<p>象牙質は、普通は露出していないのですが、歯肉が下がると露出します。</p>

<p>そして象牙質に熱いものや冷たいものが触れると、象牙細管の液が象牙細管の中で動きます。</p>

<p>これが原因となって、歯の神経が刺激され、歯がしみると考えられています。</p>

<p>簡単にいうと、知覚過敏の原因は象牙質の露出ともいえます。</p>

 

<h3>虫歯</h3>

<p>虫歯の原因は、ミュータンス菌などの細菌です。</p>

<p>ミュータンス菌は、歯の表面についたままになっている食べ物や、磨き残しを栄養として利用して酸を作り出します。</p>

<p>この酸が歯を溶かして虫歯は生じます。</p>

<p>余談ですが、虫歯は細菌が原因で生じる病気、すなわち細菌感染症の一種です。</p>

<p style=”margin-bottom:3em”>実は虫歯は世界で最も広がっている細菌感染症のひとつです。</p>

 

<h2>痛みの感じ方の違い</h2>

<p>知覚過敏と虫歯では痛みの感じ方も違います。</p>

 

<h3>知覚過敏</h3>

<p>知覚過敏の症状は、”冷たいものがしみる痛み”もしくは、”何かが触れることで生じる痛み”です。</p>

 

<h3>虫歯</h3>

<p>虫歯の痛みは、”冷たいものや熱いものがしみる痛み””食べ物などを噛んだときに響くような痛み”などです。</p>

<p>甘いものに触れるとしみるということもあります。</p>

<p style=”margin-bottom:3em”>特に、”噛んだときの痛み”は虫歯特有のものなので、知覚過敏では生じない痛みです。</p>

 

<h2>痛みの長さの違い</h2>

<p>知覚過敏と虫歯では痛みの長さも違います。</p>

 

<h3>知覚過敏</h3>

<p>痛みが生じるのは、刺激を受けたときだけで、すぐに消え去る一過性の痛みです。</p>

<p>知覚過敏の痛みは、長くても10秒もすれば消え去ります。</p>

 

<h3>虫歯</h3>

<p>虫歯の痛みの持続時間は、知覚過敏のように一時的なものではありません。</p>

<p style=”margin-bottom:3em”>痛みが数分程度続いたり、慢性的に感じたりします。</p>

 

<h2>歯の形の見た目の違い</h2>

<p>知覚過敏の歯と虫歯の歯では、形にも違いが生まれます。</p>

 

<h3>知覚過敏</h3>

<p>知覚過敏では、歯肉が下がっていることが多いですが、多くの場合、歯に形の上での変化は現れません。</p>

<p>確かに、楔状欠損といって、歯の付け根付近が少し陥没していることはあります。</p>

<p>ですが、楔状欠損がなくても知覚過敏は生じますから、必ず歯の形に変化があるというわけではありません。</p>

 

<h3>虫歯</h3>

<p>虫歯では、歯に穴が開いたり、色合いが黒色や焦茶色などに染まるなど、形の上での変化が必ず伴います。</p>

<p style=”margin-bottom:3em”>初期では気づかない程度の小さな穴ですが、放置しているとやがて大きな穴に成長していきます。</p>

 

<h2>治療法の違い</h2>

<p>知覚過敏と虫歯は治療も違います。</p>

 

<h3>知覚過敏</h3>

<p>知覚過敏の治療法は、いろいろありますが、主たるものは薬物療法です。</p>

<p>知覚過敏の薬物治療とは、象牙質が露出し、刺激に敏感になっているところに、知覚過敏専用の薬を塗る治療です。</p>

<p>知覚過敏用の薬には、象牙細管を塞いだり、歯の神経を感じにくくする効果のある成分が含まれています。</p>

<p>これらの働きで知覚過敏の症状を抑えます。</p>

<p>また、知覚過敏を起こしたところに楔状欠損を認める場合は、そこをコンポジットレジンというプラスチック材料で埋めることもあります。</p>

<p>あまりにも痛みが強い場合は、歯の神経を取り除くこともありますが、あくまでもあまりにも強い場合に限られ、基本的には薬物療法が主体となります。</p>

<p>また、セルフケアとして、知覚過敏に有効な薬効成分を含んだ歯磨き粉で歯を磨くのも、知覚過敏対策として有効です。</p>

 

<h3>虫歯</h3>

<p>虫歯の治療は、虫歯で失った部分を人工材料で埋める修復治療です。</p>

<p>虫歯が小さい場合は、虫歯の部分を削り取った上で、コンポジットレジンで埋める治療で治せます。</p>

<p>少し大きくなると、インレーという小ぶりの金属製の詰め物を選ぶこともあります。</p>

<p>さらに大きくなると、歯の神経を取り除いて差し歯にします。</p>

<p style=”margin-bottom:3em”>もし、虫歯が歯根に及ぶようになると、残念ながら抜歯となることも珍しくありません。</p>

 

<h2>まとめ</h2>

<p>今回は、知覚過敏と虫歯の違いについてお話ししました。</p>

<p>知覚過敏と虫歯は、”冷たいものがしみる”という点は似ていますが、それ以外は全く異なる病気です。</p>

<p>主な違いは、</p>

<p>①痛みの持続時間:知覚過敏は一過性、虫歯は持続性。</p>

<p>②原因:知覚過敏は象牙質の露出、虫歯は虫歯菌の酸</p>

<p>③見た目:知覚過敏では穴は生じない、虫歯は穴が開き、色も変わる</p>

<p>④治療法::知覚過敏は薬物療法、虫歯は削って埋める修復治療</p>

<p>⑤セルフケア::知覚過敏は知覚過敏用歯磨き粉による歯磨き、虫歯はなし</p>

<p>などです。</p>

<p>知覚過敏と虫歯は全く異なるものなので、症状から自己判断もできそうですが、そう簡単には分からないのが実情です。</p>

<p>知覚過敏と思っていた歯の痛みの原因が本当は虫歯だった場合、放置している間に虫歯がどんどん進行していきます。 </p>

<p>しみる原因を単なる知覚過敏かと思って放置したり、知覚過敏の歯磨き粉で様子を見るのは、歯の健康上のリスクですからおすすめできません。

<p>歯がしみる場合、知覚過敏か虫歯かをまず診断する必要があります。</p>

<p>当院では、知覚過敏も虫歯もどちらの治療も行っています。</p>

<p style=“margin-bottom:3em”>歯がしみている方は、当院でぜひご相談ください。</p>

 

<h3>大田区鵜の木にある野原歯科医院</h3>

<p>野原歯科医院は東京にある、多摩川線鵜の木駅より徒歩6分のところにございます。</p><p>提携駐車場は12台ございます。</p><p>野原歯科医院は、東京都大田区鵜の木周辺にお住いの方の歯の健康を第一に考えております。</p><p>東京都大田区鵜の木のかかりつけの歯医者として、お気軽にぜひ、ご相談ください。</p>