お子さんがお口のケガをしたときの緊急対応

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、お子さんがお口のケガをしたときの緊急対応についてお話しします。

歯科医院にはお口のケガをしたことを理由に受診なさる方がしばしばいらっしゃいます。

大人ばかりでなく、中には小さなお子さんの場合もあります。

もし、皆さんのお子さんがお口のケガをしたときはどうすればいいのでしょうか。

もちろん、速やかに歯科医院などの医療機関を受診していただくべきなのですが、それまでの間にご自宅でできること、してほしいこともあります。

そこで今回は、お子さんがお口のケガをしたときの緊急対応についてお話しします。

お口のケガの原因

お子さんのお口のケガの対応を説明する前に、ケガをしないようにするために、まずはお口のケガの原因をお話しします。

統計によって多少の違いはありますが、傾向は概ね同じです。

ケガをした場所

1位:自宅

2位:屋外

3位:学校

自宅が最も多く半数弱になります。

ついで、公園や道路などの屋外、学校と続きます。

ケガをした年齢

1位:1歳

2位:5歳

3位:2歳

お口のケガが最も多いのが1歳です。歩き始めた頃というのが大きく関係していると思われます。

実は、お子さんのお口のけがは6歳までが最も多く、80~90%ほどを占めています。

小学校に入学すると急に減りますので、乳児期から幼児期はケガをしやすい年齢といえます。

ケガの原因

1位:転倒

2位:転落

3位:外力

最も多いのが転倒で、3分の2ほどを占めます。

外力とは、”押されたり”、”ものがぶつかったり”といったものです。

ケガの内容

1位:歯の脱臼

2位:唇のケガ

3位:舌のケガ

最も多い歯の脱臼には、歯がぐらぐらとした状態から、歯を支えている歯槽骨という骨の骨折まで含まれます。

ただし、歯のケガだけ、唇のケガだけということはあまりなく、複数のケガを同時にしていることも多いです。

全身的な病気の有無

1位:なし

2位:精神発達遅滞

3位:てんかん

全身的な病気のない健康なお子さんが最も多いことから、お子さんのお口のケガは、誰にでも起こりうることがわかります。

ケガをしたときの緊急対応

お子さんがお口のあたりをケガをしたときは、保護者の方がまず落ち着くことです。

そして、お口のあたりから出血がないかどうかから確認しましょう。

出血していたりすると驚いて冷静になれないこともあるでしょう。

そのようなときは深呼吸して、ご自身を落ち着かせることを優先してください。

歯のケガ(抜けていない場合)

お子さんの歯のケガのほとんどは前歯です。

歯をうったら、歯の周囲から出血していないかみてください。

歯の周囲の歯肉からの出血は、止血しなくてもほとんど止まります。

歯が欠けていないか、歯がぐらつかないかを確認してください。

歯が欠けていたり、ぐらついていたりしたら、触らず噛み合わせないよう注意して歯科医院を受診しましょう。

歯のケガ(抜けた場合)

歯が抜けてしまっていた場合、可能なら歯を探してください。

もし歯が抜けたところから出血しているなら、ガーゼを噛ませて止血を図ってください。

抜けた歯が見つかったら洗ったりせず、そのまま口の中に入れるか、牛乳に入れて歯科医院までご持参ください。

唇のケガ

転倒などにより唇を切った場合、傷口をガーゼで押さえてください。

数分押さえるとおさまってくる場合がほとんどです。

唇の内側の傷ですと、唇と歯の間にガーゼを丸めて挟み込むだけでも十分血が止まってきますし、外側から押さえるのも効果的です。

数分押さえても出血がおさまらないなら、さらに数分押さえてください。

傷口に砂利が入っていることもありますが、無理に取り除こうとする必要はありません。

早めに医療機関を受診していただくと、十分取り除くことができる上、無理に取ろうとして出血が悪化することもあるからです。

舌のケガ

舌はお口の中でも血管が多い組織なので、舌を切ると出血が多くみられます。

ですが、お子さんの場合、その出血は唾液でにじんでたくさんの出血に見えるような場合がほとんどです。

舌の傷はガーゼで押さえるのは難しいですが、大出血をきたすことはお子さんの場合はほとんどないので、そのまま歯科医院などを受診してください。

口蓋のケガ

口蓋とは上顎の内側のことです。

この部分をケガすることは滅多にありませんが、歯ブラシやお箸をお口に入れたまま転んで、突き刺さってしまうことがあります。

このようなとき、歯ブラシやお箸を抜いてはいけません。

抜きたくなると思いますが、ぐっと我慢して触らないようにしてください。

そして、すぐに119番に電話をして救急車を呼んでください。

なぜなら、小さなお子さんは大人よりも口蓋と脳の距離が狭く、たいへん危険だからです。

もし、歯ブラシやお箸などケガの原因となったものが自然にとれてきたら、出血しているところをガーゼなどで強く押さえて止血してください。

そして、ケガの原因となったものは捨てずに一緒に医療機関に持って行くようにしましょう。

まとめ

今回は、お子さんがお口のケガをしたときの緊急対応についてお話ししました。

お子さんは誰でもケガをしうるものです。

お子さんがお口のケガをしたら、まず保護者の方が冷静になってお子さんを観察しましょう。

①歯のケガ:抜けていなければ、触らず噛み合わせないようにして歯科医院を受診してください。

抜けていたら、できることなら抜けた歯を探して洗わずに牛乳につけて歯科医院までご持参ください。

②唇のケガ:出血が続いていたらガーゼなどで圧迫して止血してください。そうでなければそのまま歯科医院を受診してください。

③舌のケガ:血がにじむくらいなら心配ありません。そのまま歯科医院を受診してください。

④口蓋のケガ:異物が刺さっているなら触れずにそのまま救急車を呼んでください。

当院では、お子さんのお口のケガの治療もしています。

お子さんがお口のケガをしたけれど、どのような対応をすべきかよくわからないという方は、当院までご一報の上、受診していただければと思います。

大田区鵜の木にある野原歯科医院

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