しっかりした噛み合わせは認知症予防の第一歩 

しっかりした噛み合わせは認知症予防の第一歩 

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、しっかりした噛み合わせは認知症予防の第一歩についてお話しします。

みなさんよくご存知の通り、日本は超高齢社会に突入し、認知症を患う高齢者の方もそれとともに増えつつあります。

なにしろ、3年後の令和07年(2025年)には65歳以上の5人に1人が認知症になると予測されているので、認知症対策は待ったなしです。

認知症と歯科と聞くと関係なさそうに思われると思いますが、実は、認知症と歯科は意外と密な関係にあります。

今回は、認知症と歯の関係についてお話しします。

歯と脳の関係

歯と脳の関係からまずご説明します。

歯の本数の比較

高齢者の方の歯の数を調べてみると、健康で過ごしていらっしゃる方では平均するとおよそ15本ほど残っているようです。

ところが、認知症の方、もしくは認知症が疑われている方に絞ってみると残っている歯の本数は平均しておよそ10本です。

15本と10本ですから、明らかに違いがあります。

歯と脳機能の関係

指先をよく動かすと脳が適度に刺激されることはよく知られていると思います。

ところが、お口から刺激も指先の次くらいに脳を刺激することが明らかになっています。

ペンフィールド博士というカナダの脳神経外科医が描いた脳地図がありますが、これを見ていただくとわかりやすいです。

この脳地図には手指の次にお顔やお口が大きく描かれており、顎、唇、舌などの割合が高くなっています。

大きく開けたお口の中には歯もしっかりと描かれています。

このことからも脳と歯が密な関係にあることがわかります。

歯が脳を刺激する仕組み

歯の歯根の周囲を覆っている歯根膜という部分があります。

歯根膜には、脳神経の一つである三叉神経という太い感覚神経の末端が直接届いています。

体から離れれば離れるほど、神経はシナプスという中継点を通過しなければならないので、直接つながる歯根膜は脳にダイレクトに刺激を伝えられます。

食べ物を”噛む”と、その刺激が歯根膜から脳に直接伝わり、脳を刺激するというわけです。

脳の血流にも関係する歯根膜

歯根膜は、その名前の通り、”歯根”表面の”膜”状の組織です。

非常に薄いのですが、歯にとってはクッションのような役割も担っています。

食べ物を噛むと、歯に押されて歯根膜は0.03mmほど沈み込みます。

すると歯根膜の下の血管が圧縮されます。

血管が圧縮される結果、血液が押し出されるのですが、このとき歯がたくさん残っているとひとかみで3.5mlほどの血液量になります。

この血液が脳に届けられるため、神経の刺激と共に脳は活性化されます。

実際、歯が20本以上残っている人と歯が全くなく、しかも入れ歯も入れていない人と比べると認知症のリスクに2倍もの差が生まれるという研究結果もあります。

歯で”噛む”ことは脳の機能を保つためにとても大切なんですね。

特に関係するのが奥歯

国立長寿医療研究センターが、高齢のマウスを使って奥歯と脳の老化の関係性を研究し、先日その研究結果がイギリスの学術雑誌に掲載されました。

この研究によると、奥歯を失ったマウスは、そうでないマウスと比べると脳の神経細胞が減り、行動や記憶、協調性が低下したそうです。

認知症を予防するために

認知症を防ぐためには、以下の取り組みがとても大切になります。

安定した噛み合わせをなくさない

しっかり”噛む”ことができるようにするために大切なのは、噛み合わせの安定です。

特に大切なのが奥歯の噛み合わせです。

虫歯で歯が欠けたところは、虫歯治療で埋めたり被せたりして、歯できちんと噛めるようにします。

虫歯や歯周病などで歯を抜いた後は、そのままにせず、ブリッジや入れ歯、もしくはインプラント治療により、噛み合わせを回復させるようにしてください。

このようにして、上顎と下顎の歯の噛み合わせを安定させましょう。

お口のケアを通して歯のトラブルを防ぐ

歯を失う原因のトップは虫歯と歯周病です。

歯を失わず、いつまでもしっかりと噛めるようにするためにも、虫歯や歯周病を予防しましょう。

虫歯や歯周病に大切なのはプラークコントロールです。

日常の毎食後の歯磨きでは、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間まできれいに磨くようにしましょう。

そして、定期的に歯科医院を受診して、磨き残した部分のプラークに加え、歯磨きでは取り除けない歯石を取り除いてもらってください。

日常の歯磨きと歯科医院での歯のクリーニングを通して虫歯や歯周病を予防しましょう。

フッ素で歯を強くする

虫歯は、虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶かされる病気です。

虫歯予防にはフッ素がとても効果的であることが知られています。

具体的には、フッ素は『虫歯菌の活動を抑える』『虫歯で溶かされた部分の修復を促進する』『虫歯菌に溶かされにくい強い歯に変える』などの働きで、虫歯を予防します。

フッ素入りの歯磨き剤を使った歯磨きやフッ素入りの洗口液によるうがいなどを通して、歯をフッ素で強くし、虫歯を予防しましょう。

まとめ

今回は、認知症と歯の関係性についてお話ししました。

歯と脳は関係なさそうに思われがちですが、実はそうではなく、歯と脳には密接な関係があることがお分かりいただけたのではないかと思います。

高齢者の割合が年々高くなっている中、認知症の予防はとても大切です。

『歯をいかに残して、しっかりとした噛み合わせを保ち続けるか』が、認知症予防の第一歩とも言えそうで、この点で歯科の役割はとても大きいと言えます。

もちろん、当院でも虫歯や歯周病の治療だけでなく、失われた噛み合わせを回復するために、さまざまな治療を行っています。

私たちと一緒に歯や噛み合わせを守り、認知症を予防していきませんか?

大田区鵜の木にある野原歯科医院

野原歯科医院は東京にある、多摩川線鵜の木駅より徒歩6分のところにございます。

提携駐車場は12台ございます。

野原歯科医院は、東京都大田区鵜の木周辺にお住いの方の歯の健康を第一に考えております。

東京都大田区鵜の木のかかりつけの歯医者として、お気軽にぜひ、ご相談ください。