狭いところの歯磨きにはワンタフトブラシがおすすめ

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、狭いところの歯磨きにはワンタフトブラシがおすすめ についてお話しします。

みなさん、日々の歯磨きに歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどをお使いになっていることと思います。

実は、歯ブラシにもいろいろな種類があり、そのひとつにワンタフトブラシという歯ブラシがあることはご存知でしょうか。

普通の歯ブラシに加え、ワンタフトブラシを使うと、歯をとても良く磨けます。

今回は、ワンタフトブラシというタイプの歯ブラシについて、使っていただきたい歯やワンタフトブラシの使い方などについてお話しします。

ワンタフトブラシとは

ワンタフトブラシは、アルファベットにするとone tuft brushと書きます。

Tuftとは房(ふさ)を意味する言葉です。

房が、oneつまり、歯ひとつ分の歯ブラシという意味です。

このことから1歯(歯1本分)用歯ブラシという呼び方をすることもあります。

1歯用というだけあって、普通の歯ブラシと比べてみると、ワンタフトブラシはヘッド部分がとても小さいです。

このため、普通の歯ブラシでは毛先が届かないような狭いところまで、毛先が入りやすくなっています。

ワンタフトブラシの種類

普通の歯ブラシにいろいろなタイプがあるように、ワンタフトブラシにさまざまなタイプがあります。

毛先の形

ワンタフトブラシの毛先は、山型とフラット型の2種類あります。

円状に並んだ毛先の中心付近が高くなっているのが山形、そうでななく毛先が円筒形、つまり平らになっているのがフラット型です。

山型は歯と歯肉の境界付近や歯並びの窪んだ部分にも入れやすいです。

フラット型は、先端が面になってるのでピタッと当てやすく、狭いところの汚れを効率的にきれいにできます。

角度

ワンタフトブラシの柄は、直線型と斜め型の2種類あります。

15度ほど斜めになっているタイプの方が奥にも届きやすいです。

奥歯の後ろ面の歯磨きでは、噛み合わせ面からワンタフトブラシを入れる場合は、直線型の方が入れやすいという方もおられます。

ワンタフトブラシが適した歯

普通の歯ブラシではなく、ワンタフトブラシがおすすめされる歯とは、一体どのような歯なのでしょうか。

乱杭歯

乱杭歯ともよばれる凸凹と重なっている歯並びですと、普通の歯ブラシでは、歯並びの窪んだ部分の歯に毛先がしっかりと当たりません。

このため、普通の歯ブラシだけで歯を磨こうとすると、どうしても歯並びの窪んだ部分の食べカスやプラークが取りきれませんからたまったままになりやすいです。

デンタルフロスや歯間ブラシで磨こうとしても、面積が広く効率的ではありません。

ワンタフトブラシなら、歯並びの窪んだ部分にもしっかり届きますから、効率良く歯をきれいにすることができます。

親知らず

親知らずの多くは、まっすぐに生えていません。

傾いたままになっていたり、歯肉が一部覆っていたりすることも多いです。

傾いたために、手前の奥歯と段差や隙間ができていることも珍しくありません。

このため、普通の歯ブラシではどうしても磨くことができません。

歯肉が一部覆っている場合は特にそうです。

このような親知らずでも、ワンタフトブラシを使えば、普通の歯ブラシよりもしっかりと磨けます。

奥歯

なかなか見えない上顎の奥歯だけでなく、下顎の奥歯も、特に後ろ面は普通の歯ブラシではなかなかきれいにはなりません。

ワンタフトブラシなら、奥歯の後ろ面まで毛先を当てやすいので、きれいに磨けます。

インプラント

インプラントは、チタニウム合金などで作られた人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に上部構造という被せ物をセットする治療法です。

歯根がご自身の歯である差し歯と異なり、インプラントには歯の部分は一切なく、全て人工物ですが、普通の歯と同じく歯磨きは欠かせません。

確かにインプラントはプラークがたまっても虫歯にはなりません。

しかし、インプラント周囲炎というインプラント版の歯周病になって、インプラントが抜けてしまう原因になるからです。

インプラントを磨く時、インプラントの付け根の部分にプラークが残らないようにするのがインプラント周囲炎予防のポイントです。

このとき、ワンタフトブラシなら効率的にインプラントの付け根と歯肉の境界付近をきれいに磨けます。

矯正治療中の歯

マルチブラケット法という矯正治療では、歯の表面にブラケットという金具を接着し、ブラケットの中心部分の溝にワイヤーを通しています。

ブラケットとワイヤーが装着された部分の歯磨きは、普通の歯ブラシだけではとても難しいです。

このほかにもいろいろな矯正装置がありますが、その多くでマルチブラケット法と同じく歯磨きしにくくなっています。

そんなときも、ワンタフトブラシがおすすめです。

矯正装置の手前から入れると、矯正装置の周囲の食べカスやプラークも比較的容易にきれいにできます。

ワンタフトブラシの使い方

ワンタフトブラシの使い方についてご説明します。

ワンタフトブラシだけで磨かない

ワンタフトブラシは、細かなところを磨くのに適した歯ブラシですので、歯全体を磨くのには適していません。

また、細かなところと言っても限界はあり、歯と歯の間は歯間ブラシやデンタルフロスの方がきれいにできます。

ワンタフトブラシだけで歯を磨こうとするのではなく、普通の歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなども上手に使って歯磨きするのが大切です。

鏡を見ながら

上顎の奥歯は鏡を見てもなかなか見えないところですが、見当違いのところを磨いてしまっては意味がありません。

慣れてくるまでの間は、鏡を見ながら歯を磨くようにしてください。

磨き方

ワンタフトブラシを鉛筆を持つような感じで持ってください。

磨きたいところにワンタフトブラシを当てます。

歯と歯肉の境界付近はなぞるような感じで、歯並びの狭くなっているところや矯正装置の周囲はクルクルと回す感じで当てると、比較的簡単に汚れが取れます。

力を入れすぎないように気をつけてくださいね。

まとめ

今回は、ワンタフトブラシについてご紹介しました。

ワンタフトブラシは、普通の歯ブラシが入りにくい狭いところを磨くのに適した歯ブラシです。

細か所はきれいにできる反面、普通の歯ブラシのように広面積を効率的に磨くのには適していません。

ワンタフトブラシは、普通の歯ブラシで磨いた後の仕上げ用の歯ブラシという感じで使ってください。

特におすすめするのが、

①乱杭歯

②親知らず

③奥歯

④インプラント

⑤矯正治療中の歯

です。

ワンタフトブラシにもいろいろなタイプがあります。

当院では、普通の歯ブラシだけでなくワンタフトブラシを使った歯磨きにも取り組んでいます。

どのワンタフトブラシいいのかよくわからないという方や、どのように使ったらいいのかわからないという方は、当院でぜひご相談ください。

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