仮歯のときの歯磨きのポイント

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、仮歯のときの歯磨きのポイントについてお話しします。

こんにちは

前歯部の虫歯治療やブリッジ、セラミッククラウンなどの被せ物治療で、被せ物が完成するまでの間、仮歯を入れて過ごしていただくことがあります。

仮歯で過ごしている間は限られていますが、その期間も食べたり飲んだりしますから、歯磨きが欠かせません。

仮歯も普通の歯と同じように歯磨きすればいいのでしょうか。

今回は、仮歯が入っているときの歯磨きのポイントなどについてはお話しします。

仮歯について

仮歯は、最終的な被せ物が完成するまでの間に被せておく被せ物です。

仮歯の材質

仮歯は、あくまでも”仮”です。

このため、当面の間耐えられるだけの耐久性しか求められないことや、作りやすさが求められることなどから、コンポジットレジンというプラスチックで作られています。

仮歯は、材質からその後装着されるはずの被せ物と比べると、厚ぼったくなっていたり、舌触りがざらざらしたりします。

仮歯の接着剤

仮歯をくっつけている接着剤は、完成した被せ物用の接着剤とは全く異なります。

接着力は弱く、食べたり飲んだりするときに困らないくらいの強さしかありません。

弱目の接着剤を使うことで、治療のときに簡単に外せるようにしています。

仮歯の歯磨き

たとえ、仮歯であっても、普通の歯と同じく食後の歯磨きは欠かせません。

歯ブラシの使い方

仮歯も普通に歯ブラシで磨いていただいて大丈夫です。

仮歯用接着剤は接着力が弱いとはいえども、歯ブラシを普通に使っただけで外れるほどではありません。

ですが、外れる可能性がないわけではないので、強く歯ブラシを当てないように気をつけてください。

そして、歯1本1本ずつ磨くような感じで、毛先を小刻みに動かして、ていねいに磨くようにしてください。

もし、ワンタフトブラシというコンパクトな毛先の歯ブラシをお持ちの方なら、仮歯の周囲だけでもワンタフトブラシで磨くと、より一層効果的に磨けます。

歯間ブラシやデンタルフロスが入りにくい場合は無理しない

仮詰めと異なり、仮歯はできるだけ歯の形に似せた形をしています。

歯と歯の間も、多少狭くなっているかもしれませんが、ちゃんと再現されていますので、歯間ブラシやデンタルフロスを通してきれいにする方がいいです。

ただし、歯と歯の間が狭く、歯間ブラシやデンタルフロスが入りにくい場合は無理しないでください。

ところで、デンタルフロスには、ホルダーがついたタイプと、ホルダーがなく指に巻いて使う糸だけのタイプの2種類あります。

詳しい理由は次にお話ししますが、仮歯に使うなら、デンタルフロスは、指に巻いて使う糸だけのタイプが適しています。

デンタルフロスは横に引き抜く

デンタルフロスを抜き取るときに、上向きに抜き取らないようにしてください。

もし、仮歯の縁にデンタルフロスが引っかかった状態で、縦向きに抜き取ろうとすると、仮歯が外れてしまう可能性があるからです。

ホルダー付きのデンタルフロスでは、上向きに抜くしかありませんから、仮歯の歯磨きに使うデンタルフロスは、指に巻いて使うホルダーなしタイプにしてください。

歯と歯の間をきれいにしたデンタルフロスは、上向きに抜かず、かかっている片方の指のデンタルフロスを外して、そのまま横に引き抜いてください。

歯磨き剤

仮歯用にわざわざ別の歯磨き剤を用意する必要はありません。

普段からお使いの歯磨き剤を使ってください。

ただし、タバコのヤニ取り効果の高い歯磨き剤のような強めの研磨剤が入っている歯磨き剤ですと、仮歯が削れてしまい、表面がざらざらと荒れやすくなりますのでご注意ください。

仮歯の歯磨きが大切な理由

仮歯は、完成品の被せ物が入るまでの一時的なものです。

歯磨きを少々怠ったとしても、いいんじゃないかと考える方もおられます。

仮歯であっても、歯磨きが欠かせないのには理由があります。

歯肉の腫れを予防する

仮歯をきれいに磨いていないと、仮歯の周囲の歯肉が腫れます。

被せ物が合うかどうかは、調べるポイントはいくつかありますが、被せ物の縁と歯の縁の合い具合もチェックポイントです。

ところが、歯肉が腫れると、被せ物と歯の縁の合い具合がわかりにくくなります。

このため、仮歯の周囲の歯肉が腫れないようにしておく必要があり、仮歯の歯磨きは欠かせません。

歯肉の出血を予防する

仮歯に限らず腫れた歯肉からは出血しやすくなりますので、仮歯を外すとその刺激だけで歯肉から出血してきます。

出血してくると、完成した被せ物が合うかどうか確認しにくくなるだけでなく、接着剤もしっかり固まらなくなります。

歯肉が出血しないようにするためにも、仮歯の歯磨きは大切です。

まとめ

今回は、仮歯の歯磨きについてお話ししました。

仮歯であっても、

①歯肉の腫れや出血を予防するため

②最終的な被せ物の合い具合をチェックするため

③しっかり接着するため

に、歯磨きは大切です。

仮歯の歯磨きのポイントは、

①歯ブラシを優しく当てて小刻みに動かす

②歯間ブラシやデンタルフロスが入らないときは無理しない

③デンタルフロスは横に引き抜く

などです。

当院でも、被せ物治療で、仮歯を入れることがあります。

仮歯のお手入れで、よくわからないことなどがありましたら、遠慮なくご質問ください。

もし、仮歯が外れてしまったときは、捨てずに持ってきてください。

仮歯が欠けたときでも、修理可能な場合もあるので、やはり捨てずにお持ちください。

※当院では、国民皆歯科健診という国の医療政策の方向性が示される前より、歯の健康だけでなく、全身的な健康維持の面から予防歯科に積極的に取り組んでいます。

定期的に行う健診や、予防歯科へのサポートをさせていただきます。

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