ヘルペス性歯肉口内炎

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、ヘルペス性歯肉口内炎 についてお話しします。

ある日突然、それまで健康だった赤ちゃんが熱を出し、お口の中に全体的にたくさんの口内炎が生じたら、とても心配になると思います。

このような症状が現れたら、もしかしたらヘルペス性歯肉口内炎を生じているかもしれません。

ヘルペス性歯肉口内炎とはどのような病気なのでしょうか。

今回は、赤ちゃんに生じることもあるヘルペス性歯肉口内炎についてお話しします。

ヘルペス性歯肉口内炎とは

ヘルペス性歯肉口内炎とは、お口の中に現れるヘルペス性口内炎のひとつです。

ヘルペスとは、ギリシャ語で『這う』という意味の言葉で、なんと紀元前の時代から記録がある歴史の長い病気です。

生後6ヶ月から3歳ごろまでの小さなお子さんによく生じます。

原因

ヘルペス性歯肉口内炎の原因は、ヘルペスウイルスのひとつである単純ヘルペスウイルスです。

単純ヘルペスウイルスは、1型(HSV-1)と2型(HSV-2)の2種類ありますが、ヘルペス性歯肉口内炎では1型が大半を占めます。

症状

口内炎の症状が現れる前の2〜3日間、機嫌が悪くなったり、喉の違和感や痛みを訴えます。

この後、38〜40°ほどの発熱とともに、歯肉や舌に小さな水ぶくれが生じるようになります。

これらの水ぶくれは、すぐに潰れてただれた状態になります。

そのため、お口の中を痛がるようになり、食事が摂りづらくなります。

お口を閉じにくくなるため、よだれも増えます。

水ぶくれが潰れてできたただれは、当初は大きさ2〜4mmですが、ただれ同士がくっつくと大きなただれに成長し、出血もともなうようになります。

歯肉は赤く腫れ、舌は白い膜を張ったような感じになります。

歯磨きなどができなくなると、口臭を発することもあります。

発熱自体は、3〜5日程度続きます。

水ぶくれが潰れてできたただれが治ると、ヘルペス性歯肉口内炎が治ったと判断されますが、口内炎の症状が現れる前の期間から数えると、治癒するまでに2〜6週間ほどかかります。

経過が長いように思われるかもしれませんが、症状が強く出てからの回復期間は数日です。

症状があまりにも強い場合は入院になることもありますが、数日で回復することから入院にもならず乗り切れる場合がほとんどです。

治療法

ヘルペス性歯肉口内炎には、アシクロビルという抗ヘルペスウイルス剤が効果的です。

アシクロビルには、点滴、飲み薬、塗り薬などいろいろなタイプがあり、症状に応じて使い分けます。

ヘルペス性歯肉口内炎の注意点

では、ヘルペス性歯肉口内炎になったときの注意点についてご説明します。

移り方

ヘルペス性歯肉口内炎の原因であるヘルペスウイルスは、接触することで人から人へと移っていきます。

ヘルペスウイルスを持ってる人のそばに近寄っただけでは移ることはありませんが、感染力の強いウイルスです。

そのため、ヘルペスウイルスを含んだ唾液や、口内炎の部分に触れたりするとウイルスが広がっていくのはもちろんですが、ウイルスを含んだ唾液がついたコップやお箸などの食器、タオルなどからもウイルスは広がっていきます。

お口のただれなどのヘルペスウイルスが現れているときはもちろんですが、発熱や口内炎や水ぶくれなどの明確な症状が現れていない時期であってもウイルスを持っていたら、移ってくることがあります。

ご家庭内でも、口内炎の症状が現れている期間は、ご注意ください。

ウイルスの排出期間

ヘルペス性歯肉口内炎の症状が現れている期間は、身体からヘルペスウイルスが排出されている期間と考えてください。

では、どれくらいの期間、ヘルペスウイルスが排出されているのでしょうか。

それは、1週間です。

なお、長ければ数週間ということもあります。

ウイルスの排出期間は、他の人にヘルペスウイルスが広がりやすいので、注意が必要です。

この期間は、お子さんに触れた後は手洗い消毒をしっかり行い、食器やタオル類を分けるようにしてください。

保育園や学校

感染初期の発熱や口内炎が強く現れているときは、ウイルスがたくさん排出されている時期なので、隔離が必要とされます。

熱が下がって、食事が十分食べられるようになれば、登園や登校は可能となります。

なお、一度ヘルペスウイルスに感染すると、身体からウイルスが完全になくなることはありません。

そのため、大人になってからでも疲れがたまったときなど体が弱ったときに、唇などに水ぶくれが生じることがあります。

歯磨き

ヘルペス性歯肉口内炎になると歯肉が腫れます。

そのようなときは、歯ブラシを当てると出血しやすい傾向があります。

お子さんがすぐに出血して痛がるようなときは、無理に歯磨きをする必要はありません。

うがいをしてお口の中を無理なく清潔に保つようにしてください。

食事

お口のただれたところに触れると痛みますから、食欲が低下することもあります。

酸っぱいものや辛いものはしみて痛いので、避けた方がいいです。

痛みの程度に合わせて、軟らかいものを中心としたお食事がおすすめです。

冷たいものは、痛みの感覚を和らげる効果がありますから、ゼリーやヨーグルト、冷奴など冷たくて軟らかい食べ物もいいでしょう。

なお、食欲がない場合であっても、水分だけは十分に摂取させるようにしてください。

似たような病気

ヘルペス性歯肉口内炎に似たような病気に、ヘルパンギーナがあります。

ヘルパンギーナは、夏ごろを中心に広がっていくウイルス性の病気です。

やはり、熱を出したり、口内炎を生じたりします。

ヘルパンギーナは、喉の付近を中心とした口内炎なので、ヘルペス性歯肉口内炎とは口内炎の現れ方に違いがありますが、初期では見分けるのはなかなか難しいです。

まとめ

今回は、ヘルペス性歯肉口内炎についてお話ししました。

ヘルペス性歯肉口内炎は、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる病気で、6ヶ月から3歳ごろのお子さんに発症しやすい傾向があります。

ヘルペスウイルスはウイルスへの接触によって広がっていく病気ですので、お子さんがヘルペス性歯肉口内炎になったら、

①食器やタオルを別にする

②お子さんに触れた後は、手洗い消毒をしっかり行う

③登園や登校を含めて外出は控える

④食事は軟らかめにする

⑤歯磨きは無理しない

当院は、小さなお子さんの治療も行なっています。

もし、お子さんに熱や口内炎が生じて不安なときは、ぜひ当院で一度ご相談ください。

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