下口唇に発生する水ぶくれ、粘液嚢胞 

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、下口唇に発生する水ぶくれ、粘液嚢胞 についてお話しします。

下唇に水ぶくれのようなできものができることがあります。

お子さんの唇にそのようなものができたら、さぞ驚かれることでしょう。

中には、大きくなったり小さくなったりを繰り返すタイプもあり、その場合は粘液嚢胞(ねんえきのうほう)という病気の可能性が高いです。

粘液嚢胞とはどのような病気なのでしょうか。

今回は、粘液嚢胞についてお話しします。

粘液嚢胞とは

粘液嚢胞とは、どのような病気なのでしょうか。

嚢胞(のうほう)とは

粘液嚢胞についてお話しする前に、嚢胞(のうほう)についてご説明します。

身体に生じる出来物といえば、腫瘍がよく知られていますよね。

腫瘍とは、身体の組織の一部が過剰に増殖してできたものを指します。

腫瘍=がんというわけではなく、良性の腫瘍もたくさんあります。

一方、嚢胞とは粘膜の下部に生じた空洞のことで、通常は液体が溜まっています。

つまり、簡単にいいますと、腫瘍は内部に隙間がなく組織が詰まっているできもの、嚢胞は内部が空洞になっていて液体で満たされているできものといえます。

粘液嚢胞について

ここでいう粘液とは、唾液のことを指します。

すなわち、粘液嚢胞とは、嚢胞の内部に唾液が溜まってできた嚢胞のことです。

そのため、粘液嚢胞ではなく、粘液(唾液)が溜まって瘤のようになることから粘液瘤(ねんえきりゅう)ということもあります。

お口の中にはいろいろな嚢胞が発生しますが、粘液嚢胞もそのひとつで、軟組織に生じる嚢胞の中では最も発生頻度が高いもののひとつです。

特に多いのが、下口唇ですが、舌の先端部や頬粘膜にもできます。

舌の先にできたものは、特にブランディン・ヌーン嚢胞とよばれています。

粘液嚢胞の原因

お口の唾液を生み出す組織を唾液腺と言います。

唾液腺は、大きさから大唾液腺と小唾液腺に分けられます。

おたふく風邪で腫れてくる耳下腺は、大唾液腺のひとつです。

大唾液腺は、顎下腺・舌下腺・耳下腺の3つしかなく、それらが左右二対で6つしかありませんが、小唾液腺は、口唇腺や舌腺、頬腺などがあり、これらはお口の中に無数にあります。

唾液は、唾液腺で作られ、導管もしくは排出管とよばれるトンネルを通してお口の中に分泌されます。

大唾液腺と比べて、小唾液腺は導管は細く排出口が狭いです。

そのため、『噛んで潰した』『ヤケドをした』などの理由で、簡単に詰まってしまいます。

導管や出口が塞がっても、小唾液腺内部では依然として唾液が作られていますから、出口を失った唾液は小唾液腺の中に溜まり、水風船のように膨らんでしまいます。

こうして粘液嚢胞が生じると考えられています。

粘液嚢胞の症状

粘液嚢胞の大きさは、ほとんどが5mmほどです。

あまり多くはありませんが、中には1cmを超えるような大きさになるものもあります。

色合いは、比較的表面近くに生じた粘液嚢胞は透明感のある薄紫色ですが、深いところに生じた粘液嚢胞は粘膜の色合いに近いピンク色をしています。

痛みのような自覚症状はありません。

ある程度大きくなると、水風船が潰れるように粘液嚢胞も潰れ、中からネバっとした液体が出てきます。

しかし、傷が塞がると内部で唾液が再び溜まってしまうため、再発します。

繰り返し再発する出来物というと悪性の病気のようなイメージがありますが、粘液嚢胞の場合は単に潰れただけなので正しくは再発を繰り返しているわけではありません。

粘液嚢胞の治療法

粘液嚢胞の治療法は、経過観察か摘出術です。

残念ながら薬で治すことのできる病気ではありません。

経過観察

小さなお子さんの粘液嚢胞の場合は、しばらくすると自然に治ってくることもあります。

そのため、いきなり摘出術に取り掛かるのではなく、3ヶ月程度経過観察してからの摘出術を検討する場合もあります。

摘出術

一般的な治療法となるのが、摘出術です。

まず、粘液嚢胞の周囲の粘膜表面に局所麻酔を加えます。

粘液嚢胞の両側から指で下唇を引っ張ります。

メスで粘液嚢胞の周囲を楕円形切開し、粘液嚢胞を摘出します。

このとき、粘液嚢胞の原因と思われる小唾液腺を残しておくと、再発する原因になりますから一緒に摘出することになります。

しかし小唾液腺の唾液の分泌量はそう多くありませんから、お口の乾燥感など日常生活に影響が出ることはないのでご安心ください。

摘出したのちは、傷口を縫合して閉じます。

時間的には15分前後の手術になります。

まとめ

今回は、粘液嚢胞についてお話ししました。

小唾液腺付近にできて下唇に多いです。

悪性の病気ではありませんが、潰れて消えても、しばらくすると再発するのが特徴です。

小さなお子さんの場合、しばらくすると自然に治ることもあるので、経過観察することもありますが、一般的には摘出術の適応となります。

当院は、下唇や舌にできた粘液嚢胞の治療経験も豊富な歯科医院です。

もし、下唇や舌などに大きくなったり小さくなったりする水ぶくれのようなものができたら、粘液嚢胞の可能性が高いです。

そのような症状が認められたら、一度当院でご相談ください。

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