もしかしたら上唇小帯強直症かも?

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、前歯の隙間がなくならないなら、もしかしたら上唇小帯強直症かも?についてお話しします。

上顎の前歯は、7〜8歳ごろに乳歯から永久歯に生えかわります。

生えかわった当初には真ん中に隙間があるものですが、しばらくすると隙間はなくなるものです。

しかし、中にはなかなか隙間がなくならないことがあります。

その原因はいくつかありますが、そのひとつが上唇小帯強直症です。

今回は、前歯の隙間の原因となる上唇小帯強直症(じょうしんしょうたいきょうちょくしょう)についてお話しします。

上唇小帯について

上唇小帯強直症についてお話しする前に、上唇小帯についてご説明します。

小帯とはヒダ状の筋のことを言い、上唇小帯は、上の唇の裏側の真ん中から上顎の前歯の付け根付近にかけて伸びている小帯を指します。

実は、お口の中には小帯とよばれるヒダ状の筋が7つあります。

今回のテーマである上唇小帯、そして下唇小帯、上顎と下顎の左右の頬小帯、舌の裏の舌小帯です。

つまり、上唇小帯はこれらお口の中の小帯の中のひとつというわけです。

ところで、小さなお子さんに多いのですが、転んだ拍子に顔を打って、上唇小帯が切れてしまうことがあります。

これを上唇小帯の裂創、もしくは裂傷といいますが、上唇小帯は切れてもすぐに血は止まります。

多くの場合、傷を縫合する必要はなく、そのまま経過観察となります。

上唇小帯強直症について

上唇小帯強直症とは、小帯異常とよばれる小帯に関わる病態のひとつで、上唇小帯の位置が不適切な状態のことです。

具体的には、上唇小帯が通常の前歯の付け根付近までではなく、歯と歯の間を通ってさらに奥にまで伸びた状態をいいます。

上唇小帯強直症の原因

上唇小帯強直症の原因は、ほとんどが先天性、つまり生まれつきというものです。

上唇小帯強直症の症状

上唇小帯強直症になっても、痛みや腫れなどの自覚症状は現れません。

もちろん、食事や会話に影響が出ることもありません。

上唇小帯強直症が引き起こす前歯の歯並び異常

上唇小帯強直症自体には自覚症状はないのですが、前歯の歯並びに影響を及ぼします。

正中離開(せいちゅうりかい)

上顎、下顎ともに歯並びの真ん中の歯を中切歯(ちゅうせっし)、その隣の歯を側切歯(そくせっし)といいます。

ちなみに「右側上顎中切歯」「右側下顎側切歯」とかよぶのは大変なので、歯科医師は簡単に「右上1番」「右下2番」と番号でよんでいることが多いです。

話がそれましたが、正中離開とは、中切歯と中切歯の間にできた隙間のことです。

中切歯は、通常、右の中切歯は右寄りに、左の中切歯は左寄りにというように少し離れる方向に傾いて生えてきます。

中切歯が生えたら、その次に側切歯が生えてきますが、側切歯が隣から中切歯を押すことで、中切歯の隙間は自然に解消されます。

ところが、上唇小帯強直症の場合は、中切歯と中切歯の間に上唇小帯が挟まれているために中切歯間の隙間が閉じられないのです。

正中離開は、上唇小帯強直症のもたらす代表的な症状です。

歯の傾斜・捻転

歯の傾斜とは歯が傾いて生えている状態、歯の捻転とは歯の向きがねじれている状態のことです。

歯の傾斜や捻転は、前歯に限らずどこの歯にも生じ得るものですが、上唇小帯強直症になると上顎の中切歯に傾斜や捻転を引き起こすことがあります。

上唇小帯切除術

上唇小帯強直症の治療法は、外科手術です。

上唇小帯強直症の手術は、上唇小帯切離術と上唇小帯切除術の2種類が代表的です。

手術というと全身麻酔のようなイメージが先行しがちですが、どちらの手術法も局所麻酔のもとで行われる外科小手術です。

上唇小帯切離術

上唇小帯切離術は、乳幼児でかつ、上唇小帯が比較的分厚くない場合に選ばれます。

局所麻酔の注射をしたのち、上唇小帯に水平にメスを入れます。

そして上唇を伸ばすと、上唇小帯の傷口が菱形に広がります。

菱形の傷口の内部で上唇小帯をこわばらせている部分を剥がしてから、菱形の左右を縫い合わせて終わります。

抜糸は、5〜7日後です。

上唇小帯切除術

上唇小帯切除術は、上顎前歯の正中離開が見られる場合に選ばれます。

局所麻酔ののち、メスで上唇小帯をV字型に切開して取り除き、縫合して終わりです。

縫ったところは、5〜7日後、抜糸します。

上唇小帯切除術の時期については、9歳より前には行なうべきではなく、可能であれば10歳後半まで待つことが望ましいとされています。

なぜなら、上顎の前歯の隙間は、中切歯が生えてからしばらくの間残っているのが普通ですし、先にご説明したとおり側切歯が生えてくることで解消されるものなので、自然に解消するかどうかを見極める必要があるからです。

まとめ

今回は、上唇小帯強調症についてお話ししました。

上唇小帯強調症は、上唇小帯の付き方や形態に生じた異常で、主な症状は正中離開です。

上唇小帯強直症を原因とする正中離開などの歯並びの異常を認めた場合は、上唇小帯を切除する外科手術を行います。

そうでなければ、上唇小帯を切除する必要性はありません。

当院は、お子さんの前歯の隙間についても豊富な経験を持っております。

もし、お子さんの前歯の隙間がなかなか解消しない場合は、当院で一度ご相談ください。

大田区鵜の木にある野原歯科医院

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提携駐車場は12台ございます。

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