乳歯の隙間はみにくいアヒルの子

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、乳歯の隙間はみにくいアヒルの子についてお話しします。

理想的とされる歯並びにはいろいろな条件がありますが、歯と歯の間に隙間がないというのもそのひとつです。

しかし、乳歯の歯並びについては、隙間があるのがいい歯並びとされています。

どうして、乳歯の歯並びは隙間がある状態が理想的なのでしょうか。

今回は、乳歯の歯並びの隙間についてお話ししようと思います。

乳歯の歯並びの隙間

乳歯の歯並びに関係する隙間は、発育空隙(はついくくうげき)・リーウェイスペース・霊長空隙の3つあります。

乳歯のこれらの隙間は、乳歯が抜けたあと、乳歯よりもサイズの大きな永久歯が生えるためのスペースとして利用されます。

発育空隙

発育空隙とは、お子さんが成長する過程で乳歯の歯並びに生じる乳歯同士の隙間のことです。

変化する発育空隙

乳歯と乳歯の隙間は、一定ではありません。

乳歯が生え始めたころには、歯並び全体にわたって広い隙間が認められます。

しかし、全ての乳歯が生え終わった3歳ごろになると、その隙間は狭くなります。

そして、その後顎の骨の成長拡大に伴って、再び広がり始めます。

ですから、お子さんの歯が3歳ぐらいのときに、隙間がないからといってさほど心配する必要はありません。

発育空隙の役割

乳歯と永久歯を比較すると、歯のサイズが全く異なりますが、乳歯から永久歯へと歯並びが変わっていく際には、発育空隙によって得られた隙間を利用して歯がきれいに並んでいくようになっています。

発育空隙の役割は、永久歯のためのスペースの確保だけではありません。

乳歯から永久歯への生え替わりの過程で、歯が抜けてなくなると噛み合わせが不安定になってしまいます。

そんなときにも、きちんと上下の歯が安定して噛み合わせられるように調整するのも、発育空隙の役割のひとつであると考えられています。

リーウェイスペース

乳歯のサイズと永久歯のサイズの差により、乳歯と永久歯の歯並びで、どれだけ差があるのかを示すのが、リーウェイスペースです。

具体的には、乳歯の歯並びの横側を構成する3番目と4番目と5番目の乳歯の幅の合計と、永久歯の歯並びの横側を構成する番目と4番目と5番目の永久歯の幅の合計の比較です。

実際のリーウェイスペース

リーウェイスペースを計測すると、上顎では乳歯の歯並びの方が永久歯の歯並びよりも1mm大きくなり、下顎では3mmほど大きくなる、つまり乳歯の歯並びの方が大きいわけです。

永久歯の方が大きくなりそうなので、この結果は意外かもしれません。

つまり、歯並びの横側の部分に関しては、乳歯から永久歯に生え変わると、隙間が生じることになります。

リーウェイスペースの役割

リーウェイスペースの役割については諸説ありますが、そのひとつに前歯をきれいに並べるためというものがあります。

乳歯の前歯と永久歯の前歯を比べると、永久歯の前歯の方がひとまわりもふたまわりも大きい傾向があります。

乳歯と乳歯の隙間くらいでは埋められないほどの差です。

そこで、リーウェイスペースを利用して、前歯がきれいに並ぶようにしているのではないかという説です。

乳歯から永久歯への歯並びの変化は、歯と歯の間の隙間だけでなく、サイズの差を利用して作り出した隙間も利用しているわけですね。

霊長空隙(れいちょうくうげき)

霊長空隙とは、上顎の二番目と三番目の乳歯の間、下顎の三番目と四番目の乳歯の間に生じる隙間です。

人類や類人猿などの霊長類にだけみられるので、このように呼ばれています。

霊長空隙の役割

上顎の霊長空隙は、上顎の前歯の乳歯から永久歯への生え替わりをスムーズにする役割を持っています。

一方、下顎の霊長空隙は、上顎と異なり奥歯のためにあります。

すなわち、6歳臼歯をきちんと噛めるようにするためです。

歯が早く抜けてしまったときは

虫歯やケガなどにより、自然に歯が抜け替わるタイミングよりも早い時期に歯が抜けてしまうことがあります。

これを早期喪失(そうきそうしつ)と言います。

ちゃんと生えている乳歯の歯並びに隙間があるのは大丈夫なのですが、乳歯の早期喪失による隙

間は別の話です。

乳歯の早期喪失を放置しておくと、永久歯の歯並びがかえって悪くなる原因となります。

保隙

乳歯の早期喪失が起こると、隣の歯が前に傾いてきたり、噛み合わせている歯が伸びてきたりして、歯並びが変わってきます。

そうなると、先ほどお話ししたさまざまな空隙が失われる原因となり、乳歯から永久歯にスムーズに歯が生え替わらなくなります。

そこで、乳歯の早期喪失が生じた場合は、早期喪失によって本来その歯があった部分のスペースが失われないようにします。

その処置を、保隙(ほげき)といい、保隙を行うために用いるのが、保隙装置です。

保隙装置には、被せ物のように接着するタイプや、取り外しできるようなタイプまでいろいろあり、症状に応じて使い分けます。

まとめ

今回は、乳歯の歯並びの隙間についてお話ししました。

童話では、みにくいアヒルの子は、やがて成長して美しい白鳥になります。

乳歯の頃に隙間は、永久歯に生え変わったときに、きれいな歯並びにするために不可欠な隙間です。

乳歯の隙間は、決して悪い歯並びというわけではないわけです。

このために乳歯の歯並びの隙間は、まさにみにくいアヒルの子と言えます。

もちろん、乳歯とはいえども、悪い歯並びはあります。

当院は、お子さんの歯並びも診療していますので、もし、お子さんの歯並びに不安があるようでしたら、ぜひご相談ください。

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