こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。
本日は、乳歯は自然に抜けるのを待ったほうがいいのか、それとも歯科医院で抜いたほうがいいのか?についてお話しします。
乳歯の歯並びは3歳ごろに完成し、そのわずか3年後の6歳前後になると前歯のあたりからグラグラと動き始めます。
そう、乳歯の生え変わりの始まりです。
歯並びができてからたった3年しか経っていないわけですから、なんとも早い話です。
このグラグラと動き始めた乳歯、自然に抜けるのに任せておいておいたほうがいいのでしょうか。
それとも、歯科医院で抜いたほうがいいのでしょうか。
今回は、そんな身近な疑問に答えてみようと思います。
乳歯が抜け替わる時期
乳歯を歯科医院で抜くのか、ご自身で抜くのかを考える上で、まず押さえておかなければならないのが、抜歯の時期、つまり抜け替わる時期です。
乳歯は前歯から生え変わります。
乳中切歯(真ん中の乳歯):6〜8歳
乳側切歯(乳中切歯の隣の乳歯):7〜9歳
乳犬歯:9〜12歳
第一乳臼歯(前から4番目の乳歯):10〜13歳
第二乳臼歯(前から5番目の乳歯):10〜13歳
個人差がありますから多少年齢に差が生じることはありますが、これが概ね適切な生え替わりの時期です。
歯科医院で抜いてもらったほうがいい乳歯
自然に抜け替わるのを待つより、歯科医院で抜いてもらったほうがいいと思われる乳歯についてご紹介します。
乳歯の下に永久歯が見えているとき
グラグラした乳歯の下に永久歯の一部が見えているけれど、なかなか乳歯が抜けないというケースです。
通常は、お子さん自身が気になって触ることでポロッと取れてくるものですが、中には意外としぶとく残っていることがあります。
そのまま置いていると、永久歯が変な方向や位置に生えてくる原因になりますから、抜いておくことをおすすめします。
永久歯がずれた位置に生えてきたとき
本来、永久歯は、その上にある乳歯に誘導されて乳歯の真下から生えてきます。
歯の元となる組織を歯胚(しはい)といい、歯胚は乳歯の真下にあるものですが、中には永久歯の歯胚の位置がずれていることがあります。
永久歯の歯胚の位置がずれていると、永久歯は乳歯の真下から生えてこず、少し離れた位置に生えてきます。
そのため、乳歯の根が溶けなくなり、乳歯が自然に抜けなくなります。
このような位置がずれた永久歯を異所萌出歯といいますが、きちんとした位置に歯を移動させるためにも乳歯は抜歯しなくてはなりません。
乳歯の歯根の一部が残ったままになっているとき
虫歯や外傷を受けた乳歯に多いのですが、乳歯から永久歯に生え変わるとき、歯根がきれいに吸収されず、一部残ったままになっていることがあります。
永久歯が然るべき位置に並ぶ際に邪魔になってしまいますが、自然に抜けることはなかなか期待できないので、抜歯してもらったほうがいいでしょう。
深い虫歯になってしまった乳歯
歯冠がかなり無くなるほど深い虫歯になった乳歯では、乳歯の根の先に膿がたまっていることが多いです。
永久歯はこの膿の下に埋まっています。
膿が永久歯の成長発育を妨げてしまうため、きちんと生えかわらなくなってしまいます。
そのために、乳歯を抜歯しなくてはなりません。
片側だけ抜けて反対側がなかなか抜けないとき
通常、乳歯から永久歯へは左右対称的に生え変わっていきます。
しかし、中には片側は抜けたのに反対側がなかなか抜けないというときがあります。
このようなとき、過剰歯という余分な歯がうまっているなどの理由で生えかわれないのかもしれません。
やはり、歯科医院で調べてもらって必要なら抜いてもらったほうがいいでしょう。
乳歯が癒合歯のとき
癒合歯(ゆごうし)とは、2本がくっついて1本になった歯です。
乳歯の癒合歯は前歯に多いのですが、癒合歯の場合、永久歯が下から生えてきても片方の根しか溶けていかないため、なかなか乳歯が抜けません。
そこで乳歯を抜歯して永久歯が生えてくるためのスペースを確保します。
抜かないほうが良い乳歯
抜いたほうがいい乳歯があれば、生え替わりの時期が来たという理由だけでは抜かないほうが良い乳歯もあります。
それは次に生えてくるべき永久歯がない乳歯です。
これを先天欠如歯といい、前から数えて5番目の第二小臼歯とよばれる歯にしばしば見られます。
先天欠如歯の場合、乳歯は永久歯の代わりにできるだけ長い間保たせたいので、生え替わりの時期が来たという理由だけで抜くのはおすすめできません。
まとめ
今回は、乳歯は歯科医院で抜いたほうがいいのか、自然に抜けるのを待つのとどちらがいいのかについてお話ししました。
乳歯から永久歯は、お子さんの成長とともに自然に生えかわるものです。
しかし、中には歯科医院で抜いたほうがいい場合もあります。
①乳歯の下に永久歯が見えているとき
②永久歯が変なところから生えてきたとき
③乳歯の歯根の一部が残ったままになっているとき
④乳歯が深い虫歯で抜けないとき
⑤片側だけ抜けて反対側がなかなか抜けないとき
確かに、乳歯は歯科医師が抜かなくても自然に抜ける場合がほとんどです。
しかし、このようなときは、将来的に歯並びを悪くすることが多いので、そのリスクを減らすためにも歯科医院で抜いてもらうことをおすすめします。
当院は、抜歯を含め乳歯の治療も行っています。
乳歯の生えかわりに不安を感じたら、ぜひご相談ください。
大田区鵜の木にある野原歯科医院
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