お子さんの口呼吸は万病のもと

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、お子さんの口呼吸は万病のもとについてお話しします。

お子さんをふと見たとき、お口がポカンと開いていることありませんか?

日常の何気ないときに、お子さんのお口がポカンと開いていたら、口で呼吸をしているかもしれません。

ヒトは、本来鼻で呼吸をする生き物です。

ところが、鼻の代わりに口を通して呼吸をする口呼吸をしている人がいます。

もちろん、運動をしたときのように、一時的に口呼吸をするのは自然な呼吸ですが、日常的に口呼吸をするのは問題です。

口呼吸をする習慣があると、どのような問題が生じるのでしょうか。

今回は、口呼吸とその問題点についてお話しします。

口呼吸とは

まず、口呼吸についてご説明します。

口呼吸とは

口呼吸とは、鼻ではなく口を使って呼吸することです。

特に、低年齢のお子さんに比較的多くみられる傾向があります。

ただし、口呼吸をするからといって、鼻を通した呼吸を全くしていないのかというとそういうわけではありません。

口呼吸をしている方でも、呼吸の3分の2ほどは鼻を通っていることが研究の結果明らかになっています。

口呼吸の原因

口呼吸になる原因は、鼻詰まりや鼻炎、アデノイド、鼻中隔湾曲症などです。

つまり、鼻が詰まってしまうことで、鼻で呼吸をしようとしても鼻に空気を通すことができなくなることが口呼吸の原因です。

この他、お口の周囲の筋力が弱い、顎の骨格や歯並びが悪いなどの理由で唇を閉じることが難しくなる口唇閉鎖不全症も、口呼吸を引き起こす原因と考えられています。

鼻呼吸と口呼吸の違い

空気中には、目に見えないとても小さなホコリやチリ、花粉、季節によってはPM2.5などが浮遊しています。

これらは、ヒトの体にとっては好ましくないものなのですが、鼻呼吸をしていれば心配ありません。

まず、鼻に吸い込まれた空気に含まれている異物は、鼻の粘膜表面に生えている繊毛と流れている粘液でキャッチされて、鼻水となって洗い流されます。

キャッチしきれずに鼻を通過してしまったとしても、次は喉の手前にある扁桃リンパでキャッチするようになっています。

その上、乾燥した空気を適度に加温・加湿し、肺に送られます。

鼻は加湿機能付き空気清浄機のような機能を果たしているわけです。

ところが、口呼吸では、まず空気中の異物をキャッチすることができません。

リンパ組織でのフィルターもかけられません。

異物を含み、乾燥したままの空気が直接、気管と肺に送られます。

そのため、喉や気管、肺を傷めてしまうことになります。

鼻呼吸と口呼吸では、このような違いがあります。

口呼吸の問題点

では、口呼吸をし続けるとどのような問題点が生じるのでしょうか。

免疫力が下がる

口呼吸をすると空気中の異物や乾燥した空気により、喉が慢性的に炎症を起こした状態になります。

そして、喉の手前にある扁桃リンパ組織が十分機能しなくなります。

扁桃リンパ組織はいわば前哨基地にあたる免疫組織ですので、ここが異常をきたすと、全身の免疫系がうまく機能しなくなります。

免疫力が下がって、風邪をひきやすくなるばかりではありません。

免疫系の異常が原因と考えられているアトピーなどのさまざまな病気を引き起こす可能性が指摘されています。

歯並びが悪くなる

舌先は、上顎の前歯の後ろ側に当たっているのが正しい状態です。

鼻呼吸の人はこの状態で全く問題ないのですが、口呼吸をする人は、この位置に舌先があると呼吸しにくくなるので、舌先を下げてしまいます。

下がった舌先は、下顎の前歯の裏側にあたり、下顎の前歯にとっては唇側に押し出すような力が加わることになります。

また、口の周りにある口輪筋という筋肉の働きが下がり、口輪筋が前歯を舌側に向けて押す力も低下し、さらに前歯が唇側に傾くようになります。

こうして、前歯部の歯並びが悪くなり、これが引き金となり他の部分の噛み合わせも悪くなっていきます。

顎の骨格が歪む

上顎の前歯の後ろに舌先が当たっている正しい状態では、上顎の骨が適度に刺激されて前方へ発育しやすくなります。

ところが、口呼吸の人は、下顎の前歯部の裏側に舌先が当たるため、上顎骨の成長が不足し、結果的に受け口のような骨格になってしまいます。

ドライマウスになる

口呼吸をしていると開いた口元から唾液が蒸発していきますので、お口が乾燥します。

唾液には、細菌の繁殖を抑える抗菌作用、汚れを洗い流す作用、潤滑作用、傷を治す作用などのいろいろな働きがあります。

唾液が蒸発することで、こうした身体を守る働きが得られなくなります。

虫歯や歯周病になりやすくなる

唾液には、虫歯菌が作り出した酸を中和する作用や、酸で溶かされた歯を治す再石灰化作用があります。

唾液が蒸発することで、こうした作用が発揮できなくなり、虫歯になりやすくなります。

歯周病の原因菌を抑えたり、歯周病菌によって傷ついた粘膜を治す働きも期待できなくなり、歯周病になりやすくなります。

集中力が低下する

お口が乾燥することで、喉が渇きやすくなり、飲み物が手放せなくなります。

そのために勉強など集中しなければならないシーンで集中できなくなり、学力の低下につながる可能性も指摘されています。

また、口呼吸のために唇がぽかんと開いていると、やる気のなさそうなイメージを持たれてしまいがちです。

こうしたことから、学校生活にも悪影響が出るようになります。

食事への悪影響

通常、食べ物を飲み込むときには、唇を閉じて、奥歯を噛み合わせて下顎の位置を固定し、舌を上顎に押し当ててお口の中を陰圧にして飲み込みます。

意識せずにしていることなのですが、飲み込むという動作はこのように意外と複雑です。

ところが、口呼吸をしているお子さんは、唇を閉じることができません。

下顎の位置を固定するために奥歯を噛み合わせることもありません。

唇を閉じないとお口の中の陰圧を高めることはできないのですが、唇を閉じる代わりに舌を前に突き出すことで口を塞ぎ、陰圧を高めようとします。

この飲み込み方を乳児型嚥下といいます。

正しい飲み込み方法よりも、口の周囲の筋肉の働きをより多く必要とするため、食べることに疲れやすくなり、しっかり噛まなくなります。

しっかり噛むことは、食べ物を消化しやすくするために食べ物を小さくするという目的もあります。

しっかり噛まなくなることで、胃や腸に加わる負担が大きくなり、胃腸障害の原因にもなります。

まとめ

今回は、口呼吸の危険性についてお話ししました。

お子さんの口呼吸を放置していると

①免疫力の低下

②歯並びの悪化

③顎の骨格の歪み

④ドライマウス

⑤虫歯や歯周病

⑥集中力の低下

⑦食事への悪影響

などの症状を引き起こすリスクがあります。

まさに口呼吸は万病の元と言っても過言ではないでしょう。

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