親から子へ移る感染症・虫歯菌(ミュータンス菌)の感染予防法

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

本日は、親から子へ移る感染症・虫歯菌(ミュータンス菌)の感染予防法についてお話しします。

※本日ご紹介するのは学説の一つとなっております。

虫歯の原因は、ミュータンス菌、虫歯菌ともよばれるストレプトコッカス・ミュータンスという細菌です。

感染症というと、新型コロナウイルスやインフルエンザがイメージされますが、実は虫歯も立派な感染症なのです。

赤ちゃんは、お腹の中にいるときは、無菌状態にありミュータンス菌も存在しません。

ミュータンス菌は生まれてから、人からうつされて感染する細菌なのです。

したがって、ミュータンス菌に感染しなければ、虫歯になりにくくすることができます。

では、どのようにしてミュータンス菌の感染を防げばいいのでしょうか。

今回は、ミュータンス菌の感染を防ぐためのポイントについてご説明します。

ミュータンス菌の感染の生じる仕組み

前述したようにお腹の中にいるとき、お子さんは無菌状態にあります。

まず、産道を通るときに乳酸桿菌という細菌に感染します。

この時点では、お子さんはまだミュータンス菌には晒されていません。

その後、ミュータンス菌は、ミュータンス菌を含んだ唾液がお子さんのお口の中に入り込むことで、感染していきます。

しかし、ミュータンス菌が単にお口の中に入り込んでも、お口の中に定着することはありません。

ミュータンス菌がお口の中で定着するのに欠かせないのが、硬組織です。

ミュータンス菌は、舌や頬、歯茎などの軟組織という部分には定着できません。

歯のような硬組織の表面にだけ定着できる細菌なのです。

したがって、生まれた直後の歯のない時期には、ミュータンス菌は定着しないのです。

歯が生えたのちに、その表面にミュータンス菌が定着するようになります。

このようにして、お口の中にミュータンス菌が潜むようになるのです。

感染の窓

ミュータンス菌はいつでも感染するというわけではなく、実は感染しやすい時期があります。

感染の窓とは?

ミュータンス菌の感染に関して、『感染の窓』という言葉があります。

先ほどご説明した通り、ミュータンス菌は歯の表面に生息しているため、産まれた直後の歯のない時期には、赤ちゃんのお口の中にミュータンス菌が入り込んでも、お口の中に留まり続けることができません。

しかし、赤ちゃんはいつまでも歯がない状態ではなく、やがて歯が生える時期がやってきます。

そして歯が生えてくると、ミュータンス菌は住処を得たとばかりに歯の表面に生着し始めます。

この歯が生え始める、すなわちミュータンス菌が定着できるようになる時期を指して『感染の窓』とよんでいます。

感染の窓とされる時期

では、感染の窓といわれる、ミュータンス菌が移りやすい時期は、一体何歳ごろなのでしょうか。

それは、生後19ヶ月から31ヶ月ごろと言われています。

生後19ヶ月で25%、生後31ヶ月では75%の感染率となります。

おおむね1歳半から3歳ごろが、ミュータンス菌の感染に要注意の時期ということですね。

ミュータンス菌の感染をさせないための対策

ミュータンス菌を感染させないためには、感染のきっかけとなる機会を減らすことです。

食器の共有を避ける

お箸やスプーン、フォークなどについた唾液を介してミュータンス菌が広がっていくことが知られています。

お子さんの使うお箸やスプーン、フォークを他の人が共有するのは避けてください。

お皿も同様に違うものを使うようにしてください。

キスしない

キスすると唾液が直接お子さんのお口に入り込むことになりますので、キスはしないようにしてください。

噛み与えをしない

お子さんのお食事を噛んで柔らかくするようなことをしないようにしてください。

息を吹きかけて冷まさない

熱い食べ物を息を吹きかけて冷ますと、息に含まれる唾液が食べ物にかかってしまいます。

熱いものをふーふーと息をかけて冷まさないようにしてください。

ミュータンス菌対策には親御さんのお口の健康も重要

赤ちゃんにミュータンス菌がうつらないようにするためには、親御さんのお口の健康もとても重要です。

実は、お口の中のミュータンス菌の量は一定ではなく、常に増減を繰り返しています。

ミュータンス菌の増減に関係しているのが、砂糖です。

ミュータンス菌は、生きていく上に砂糖が欠かせません。

砂糖の摂取量が一定量以上に増えると、ミュータンス菌は歯の表面にネバネバとしたグルカンというものを作ります。

これがやがてプラークとなり、その中でさらにミュータンス菌が増えていきます。

甘いものを食べるとミュータンス菌が増えていくわけです。

したがって、ミュータンス菌が増えないようにするためには、甘いものを食べすぎないようにその量をコントロールすることがとても大切となります。

いくら気をつけていても、ひょんなことからミュータンス菌がお子さんのお口に入ることがないとも限りません。

そこで、日常的に親御さんも注意して、ご自身のお口の中のミュータンス菌が増えないように注意してください。

まとめ

今回は、お子さんの虫歯のリスクを減らすために、虫歯の原因となるミュータンス菌がお子さんに感染させないためのポイントについてお話ししました。

赤ちゃんは生まれたときからミュータンス菌に感染しているのではなく、感染の窓と言われる時期に、ミュータンス菌が潜んでいる唾液がお口の中に入り込むことで感染を起こします。

そこで、ミュータンス菌への感染の機会を減らすために

①食器の共有を避ける

②キスしない

③噛み与えをしない

④息を吹きかけて冷まさない

などの点に、気をつけるようにしてください。

そして、お子さんのお口にミュータンス菌が入るリスクを極力減らすために、親御さんのお口のミュータンス菌も増えないように気をつけてください。

今回、ご説明したことを参考に、お子さんにミュータンス菌が感染しないようにして、虫歯になりにくいお口にしましょう。

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