こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。
本日は、嘔吐反射とグラディアダイレクトについてお話しします。
歯科治療で歯型をとるときに、オエっともどしそうになったことありませんか。
これを嘔吐反射といいます。
ヒトは、誰でも喉の奥に異物を感じると吐き気をもよおすものなので、嘔吐反射そのものは正常な反応なのですが、これが強いと歯科治療はなかなか難しくなります。
嘔吐反射は辛いけど、虫歯になった、歯が欠けたので治療を受けたい、しかもできるなら自然で違和感のない仕上がりにしたい、そんな方におすすめの方法の一つにグラディアダイレクトがあります。
今回は、嘔吐反射で悩んでいる方にグラディアダイレクトでの治療をおすすめする理由をお話しします。
■嘔吐反射の原因
異物が喉に入るともどしそうになる反射は、誰にでもある正常な反射です。
歯科治療が難しくなるほどの嘔吐反射はどうして起こるのでしょうか。
生理的な反応
異物が喉に入るともどしそうになるのは正常な反射ですが、お口の感覚が敏感すぎることで嘔吐反射を引き起こしてしまうことがあります。
精神的なストレス
過去に受けた歯科治療で強い恐怖感や不安感、緊張感などを感じた経験がある方の場合、また同じようなこと起こるのではないかと無意識のうちに思ってしまい、嘔吐反射が生じることがあります。
口呼吸
呼吸は、本来は鼻でするものですが、口呼吸と言って口で呼吸する癖のある方がいます。
歯科治療中に口で呼吸すると、治療はかなり難しくなるので、鼻呼吸するように指示されます。
鼻呼吸を強いられることが嘔吐反射を引き起こすことがあります。
■嘔吐反射が強い方は
嘔吐反射が強い方は、下記のような方法を一度試してみてください。
鼻呼吸の練習
口呼吸の方は、嘔吐反射を起こす可能性が高いので、日常的に口ではなく、鼻で呼吸するようにトレーニングしてください。
治療椅子を倒さない
現代の歯科治療は基本的に寝た状態で受けますが、寝た状態ですと唾液や水が喉の奥に流れ込みやすくなります。
そこで、歯科治療の椅子をなるべく倒さず、起こした状態で受けてみてください。
そうすれば、喉に水や唾液が流れ込むのを減らせますので、嘔吐反射を起こしにくくなります。
顎を引く
顎を少し引くだけで、喉に水や唾液が流れ込むのを減らせます。
治療中、顎をなるべく引くようにしてみてください。
■グラディアダイレクトをおすすめする理由
嘔吐反射の方にグラディアダイレクトをおすすめする理由をご説明します。
歯型をとらない
グラディアダイレクトは、歯を削って形を整えたところに、直接詰めて治すダイレクトボンディングという治療法です。
仕上がりが自然になる治療法は、セラミックを使ったオールセラミッククラウンという被せ物やセラミックインレーなどいろいろありますが、いずれの方法も歯型を取らなければなりません。
嘔吐反射の多くは、歯型をとることが難しいので、審美性の高いこれらの治療を受けることは大変困難です。
治療用の器具を入れることすらできないほどの嘔吐反射がとても強い方には、グラディアダイレクトも難しいですが、そこまでには至らない、歯型をとるのが難しい程度の嘔吐反射の方なら、グラディアダイレクトなら治療を受けていただきやすいです。
歯を削る量が少ない
歯型を取らなければならない、セラミック製の被せ物や詰め物は、虫歯で生じた穴や欠けた部分以上に健全なところを削らなくてはなりません。
歯を削る量が多くなると、痛くなったり虫歯が再発したりするリスクが高くなります。
グラディアダイレクトなら、虫歯や欠けた部分だけを削って形を整えれば十分ですので、歯を削る量を少なくできます。
歯を削る量が少ないため、歯を削られるという精神的なストレスも減らせます。
本物の歯のような仕上がりになる
グラディアダイレクトは、コンポジットレジンという治療材料の一種です。
コンポジットレジンは、ベースとなるレジンにフィラーという微細な粉末成分を配合して作られています。
保険診療でもコンポジットレジンはありますが、グラディアダイレクトは保険診療のそれとは異なり、フィラーにセラミックの粉末を配合したハイブリッドフィラーを採用、しかもフィラーの形やサイズを本物の歯と同じような仕上がりになるように最適化する特殊加工を施しています。
このため、グラディアダイレクトで治療を受けると、本物の歯と同じような光沢感や透明感が得られ、違和感のない自然な仕上がりになります。
なお、保険診療のコンポジットレジンの場合は、のっぺりとした人工物感のある仕上がりです。
治療の回数が少ない
グラディアダイレクトは、ダイレクトボンディング法という治療法の一種であることは前述しました。
ダイレクトボンディング法の治療期間は、一日だけです。
セラミック製の被せ物や詰め物のように歯型をとって治す治療法は、一日では治療は完了しません。
治療の期間が一日ですむので、忙しい方にも受けていただけやすいですし、歯科治療をストレスに感じている方も、何度も通わなくてすむので、精神的なストレスを和らげられます。
■まとめ
今回は、嘔吐反射で歯科治療を受けにくい方の虫歯治療で、グラディアダイレクトをおすすめする理由をお話ししました。
グラディアダイレクトで治療を受けると、
①歯型をとらない
②歯を削る量が少ない
③本物の歯のような仕上がりになる
④治療の回数が少ない
などの利点があります。
確かに、被せなければならないような大きな虫歯治療にはグラディアダイレクトは適していませんが、そうでないほどの大きさの虫歯や欠けた歯の治療にはグラディアダイレクトなら対応できます。
治療用の器具を入れることすらできないほどの嘔吐反射が強い方はグラディアダイレクトでも難しいですが、そうではない、歯型をとるのが苦手という程度の嘔吐反射の方で、嘔吐反射と審美性の両立で迷っている方は、当院はグラディアダイレクトの治療経験も豊富ですので、一度ご相談ください。
大田区鵜の木にある野原歯科医院
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