こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。
本日は、ブラウンスポットもグラディアダイレクトできることについてお話しします。
歯の表面に現れるシミといえば、白濁ともよばれる白いシミが多いのですが、中には茶色いシミのような模様が現れることがあります。
これはブラウンスポットとよばれる状態です。
特に前歯の表面にブラウンスポットが現れると、見た目に大きく影響する原因になりますので、できることなら解消したいのですが、残念ながらブラウンスポットは自然に治ることはありません。
痛みや知覚過敏もなく、あくまで見た目だけの症状なのですが、それを悩みに当院に相談に来られる方は数多くおられます。
ブラウンスポットの治療法はいろいろありますが、おすすめの方法がグラディアダイレクトです。
今回は、ブラウンスポットにグラディアダイレクトを利用するとどのような効果が得られるのか、どうしてブラウンスポットが現れるのかなどについて、お話しします。
■ブラウンスポットとは
ブラウンスポットとは、聞き慣れない言葉ですね。
歯は、ミュータンス菌などの虫歯菌が作り出した乳酸で溶かされます。
まずは、最も外側のエナメル質というところから溶かされるのですが、溶かされ始めるとエナメル質からはカルシウムやリンといった成分が流れ出し、徐々に荒れてきます。
この状態を脱灰(だっかい)と言い、これがむし歯の初期の段階です。
脱灰された歯には、唾液に含まれる成分の作用で元に戻ろうとする性質があります。
これを再石灰化と言います。
ちなみにこの働きが期待できるのは初期虫歯までで、それ以上にむし歯が進行すると自然には治りません。
再石灰化の過程で色素成分が入り込んでしまうと、その部分だけが白くならず、歯の表面に茶色いシミのような斑点ができてしまいます。
これがブラウンスポットが生じる理由です。
つまり、ブラウンスポットの由来は、初期虫歯を治そうとする過程で生じた症状と言えます。
特に前歯の表側に生じると、治療していない虫歯があるように見えるので、見た目に大きく影響してしまいます。
ところが、ブラウンスポットは歯そのものに色素成分が入ってしまっていますので、自然に解消されることはありません。
そのため、ステイン除去に効果のある薬用歯磨き粉で自分で歯磨きしても、歯科医院で歯のクリーニングを受けても、改善できません。
ブラウンスポットが気になる場合、何らかの方法を使って、解消しなければならないのです。
■ブラウンスポットをグラディアダイレクトで治療すると
では、ブラウンスポット解消するのに、グラディアダイレクトを使ったらどのような効果が得られるのでしょうか。
正常な部分と違和感なくきれいになる
グラディアダイレクトの特徴の1番に挙げられるのが、自然な白さです。
ブラウンスポットの部分を削ってグラディアダイレクトで詰めると、ブラウンスポット以外の正常な部分と見分けがつかないくらい、きれいにブラウンスポットを解消できます。
これは、グラディアダイレクトがフィラーという微細な粉末状の成分に、セラミックの粉末を配合したうえ、セラミック成分以外のフィラーも含め、色合いが本物の歯と同じようになるように特殊な加工を施しているからです。
しかも、詰める時には、複数の色合いを組み合わせて詰める積層充填という方法を行っています。
こうしてグラディアダイレクトは、普通の歯と同じように違和感なく仕上がるようになっています。
一日で治る
グラディアダイレクトは、ブラウンスポットを削ったその日のうちに、詰めて治療を終えることができます。
歯型をとって後日改めて歯科医院を受診して、被せ物をセットするというような手間がかかりません。
歯科医院を出るときには、ブラウンスポットがきれいに解消されています。
歯を削る量が少ない
グラディアダイレクトでは、ブラウンスポットとなって色がついているところだけを削って詰めます。
このように歯を削る範囲を極力減らす治療をMI治療といい、近年、注目されています。
グラディアダイレクトなら、ブラウンスポットの周囲の健全な部分を削る必要がないので、歯を削る量を最小限に抑えることでmi治療が実現できます。
色合いの変化がほとんどない
詰めた当初はきれいな色合いになっていたとしても、時間が経つとともに色合いが変化してくるようでは、困りものです。
グラディアダイレクトなら、そうした色合いの変化がほとんどありません。
たとえ着色汚れがついたとしても、少し研磨するだけで簡単に再び元のきれいな状態に戻せます。
プラークがつきにくい
グラディアダイレクトは、強度もしっかり確保されていますので、表面が荒れてざらざらしてくるといったこともほとんどありません。
表面がざらざらと荒れるとプラーク、つまり歯垢がつきやすくなり、虫歯の再発リスクが高くなりますが、グラディアダイレクトを使いますとそうしたリスクも下げられます。
つまり、グラディアダイレクトは虫歯の再発の予防も期待できるという特徴も備えているといえます。
■グラディアダイレクト以外の治療法
では、ブラウンスポットを解消するのに、グラディアダイレクト以外の治療法としてはどのような方法があるのでしょうか。
コンポジットレジン充填
コンポジットレジン充填とは、歯の色に似たペースト状のプラスチック材料を詰めて固める治療法です。
保険診療の適応を受けていますので治療費を抑えることができ、グラディアダイレクトと同じく治療も一日で終わらせることができます。
そのため、日本では広く普及した治療法となっています。
ところが、グラディアダイレクトのように普通の歯のようなきれいな仕上がりにはなりません。
コンポジットレジンで治すと光沢感が不自然な白さなので、人工物で治したという雰囲気が残ってしまいます。
しかも、年月が経つと黄色味を帯びはじめ、表面もざらざらとしてプラークが付きやすくなります。
見た目的に良くないだけでなく、口臭の原因になることもあります。
ポーセレンラミネートベニア
ポーセレンラミネートベニアとは、セラミックで作られた歯のカバーを貼りつける治療法です。
ポーセレンラミネートベニアで治す場合、歯の表側のエナメル質を全体的に薄く削って歯型を取り歯の模型を作ります。
この歯の模型を利用して、セラミックのカバーを作ります。
セラミックのカバーでコーティングするようにしてブラウンスポットを解消します。
セラミックで作られていますので、グラディアダイレクトと同じく、本物の歯と同じようにとてもきれいな白さに仕上がります。
しかし、グラディアダイレクトと違い、歯型を取らなくては作れないので、歯型取りが苦手な方にとっては辛い治療になりますし、一日では治療が終わらないので、通院回数も多くなります。
ブラウンスポットの予防法
ブラウンスポットを防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
ブラウンスポットはむし歯が原因で生じる症状ですから、むし歯予防がブラウンスポットを防ぐポイントです。
むし歯予防にはフッ素が効果的ですが、おすすめなのがフッ素入り歯磨き粉です。
最近は、1450ppmという高濃度のフッ素入り歯磨き粉が発売されていますから、これを使ってお口のケアをしてみてください。
ただし、高濃度フッ素入り歯磨き剤は、6歳未満の子供さんには使えませんのでご注意ください。
■まとめ
今回は、ブラウンスポットの解消法としてグラディアダイレクトを使う利点についてお話ししました。
ブラウンスポットの治療にグラディアダイレクトを使用すると、
①正常な部分と違和感なくきれいになる
②一日で治る
③歯を削る量が少ない
④色合いの変化がほとんどない
⑤プラークがつきにくい
などの利点があり、たいへん人気の高い治療法となっています。
もし、歯のブラウンスポットで悩んでおられるなら、グラディアダイレクトで直してみてはいかがでしょうか。
当院は、グラディアダイレクトの治療経験も多いので、まずはご相談ください。
大田区鵜の木にある野原歯科医院
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