こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。
歯周病は、歯周組織という歯を支えている組織に起こる病気で、症状はさまざまで、いろいろな種類に分類されています。
ですが、どのタイプの歯周病であっても必ず行われるのが基本治療です。
今回は、歯周病の基本治療についてお話しします。
■歯周病の基本治療とは
日本歯周病学会が、歯周病の治療ガイドライン(htt://www.erio.j/ulicatio/uload_file/guidelie_erio_la2015df)を提示しています。
ここでは歯周病の基本治療とは、歯ぐきを腫れさせる原因や歯を支えている歯槽骨という骨などにダメージを与える原因を取り除き、歯周病を落ちつかせて歯周組織を安定化させることを目的に行われる治療としています。
基本治療の内容
治療目的を達成するために歯周基本治療は、『歯周病菌などの細菌に対する治療』と『噛み合わせの悪さを解消する治療』の2本柱から成り立っています。
では、それぞれの治療についてみていくことにしましょう。
■細菌に対する治療
歯周病の原因は、歯周病菌という細菌です。
歯周病菌は、歯の表面についているプラークという白いカスのようなものの中にいます。
歯周病菌を含んだプラークを取り除く、つまり『プラークコントロール』が細菌に対する治療となります。
歯周病の原因である歯周病菌を取り除くという意味で歯周病の治療と予防の中心ともいえます。
プラークコントロールの大切さ
仮に、プラークコントロールがしっかりと達成できていないと、どんな歯周病治療を行ってもその効果は期待できず、治療そのものが失敗することになります。
そのためにプラークコントロールは、いろいろな歯周病治療の中で最も優先して行わなければならない治療とされています。
プラークコントロールの範囲
最近の食生活は、歯にプラークがつきやすいメニューが多いので、プラークコントロールでは単に歯みがきの指導をするだけにとどまらず、必要に応じて食生活や生活習慣の改善指導も行われます。
ですから、プラークコントロールが意外と広い概念であることがわってもらえると思います。
プラークコントロールの種類
プラークコントロールは、患者さんご自身が行うセルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアの2つに分けられています。
毎日の食事の後の歯みがき=セルフケアが大切なことは言うまでもないでしょう。
日常の歯みがきで患者さん自身では取り除きにくいところや歯周ポケットの内側など取り除くこと自体ができないところにもプラークはついています。
こうしたところについたプラークは歯科医院でなければなり除けません。
その点からプロフェッショナルケアもプラークコントロールにとってとても大切です。
プラークコントロールはセルフケアとプロフェッショナルケアの二人三脚で初めて達成されるのです。
プラークコントロールの方法
プラークコントロールは、セルフケアをしっかりと行うためのブラッシング(歯みがき)指導、セルフケアで取りきれないプラークを取り除くためにPMTC(rofeioal mechaical toothcleaig )という専用の器械を使った歯のクリーニングが行われています。
それに加えて、歯科医院ではスケーリングとルートプレーニングという歯についた歯石などの付着物を取り除く治療が行われます。
■噛み合わせの悪さを解消する治療
噛み合わせが悪い場合、歯に強い力がかかって歯を支える歯槽骨などの歯周組織が破壊されてしまうことがあります。
これを咬合性外傷とよんでおり、歯周病の一種です。
どれだけプラークコントロールをしっかりと行い、歯周病菌を取り除いても噛み合わせから来る歯周病は治せないので、噛み合わせが悪い場合はその治療も必要です。
噛み合わせの悪さを解消するには、噛み合わせの調整や歯の固定などいろいろな方法があります。
噛み合わせの調整と歯冠の形の修正
噛み合わせの調整のことを咬合調整(こうごうちょうせい)と言います。
咬合調整をすれば、噛み合わせたときに加わる噛み合わせの力を他の歯にも分散させられるので、歯周組織にかかる負担を軽くすることができます。
これにより咬合性外傷を生じた歯の刺繍組織の安静を図ります。
歯冠の形の修正とは、歯の歯冠部分の形が悪いことで咬合性外傷を起こしている場合に、形を修正することで噛み合わせの力の分散を図る方法です。
歯の固定
グラグラ動いている歯をそのままの状態で置いていると、普通の噛み合わせであっても歯周組織が耐えられなくなり、咬合性外傷を引き起こするリスクが高まります。
そこで、グラグラ動いている歯を周囲の歯とくっつけることで、噛み合わせの力を分散させて歯周組織を安静化させる治療を行います。
これを斬間固定(ざんかんこてい)とよびます。
噛み合わせのクセの治療
上下の歯を擦り合わせる、カチカチと噛み合わせる、食いしばるなどの噛み合わせのクセは、咬合性外傷の原因となります。
そこでこうした症状を引き起こす原因を取り除く必要があります。
矯正治療
歯の位置が悪く、プラークコントロールがしにくい、咬合性外傷を引き起こしている、このようなときは、矯正治療を行うと、歯周病治療の効果がより高まります。
ですが、矯正治療は歯ぐきの腫れなど、歯周病の炎症症状がみられるときにはできません。
■まとめ
今回は、歯周病の基本治療についてお話ししました。
歯周病の基本治療は、『歯周病菌などの細菌に対する治療』と『噛み合わせの悪さを解消する治療』から成り立っています。
歯周病治療というと、歯石の除去などの歯のクリーニングがイメージされるかもしれませんが、このように噛み合わせの治療が必要な場合もあります。
歯周基本治療は、全ての歯周病治療で欠かすことのできない重要な治療です。
患者さんご自身で行う歯みがき、つまりセルフケアも、その一翼を担っています。
歯科医院で行う治療も欠かすことはできません。
患者さんご自身と歯科医院の二人三脚で、歯周基本治療を成功させ、歯周病を治していきましょう。
大田区鵜の木にある野原歯科医院
野原歯科医院は多摩川線鵜の木駅より徒歩6分のところにございます。
提携駐車場は12台ございます。
野原歯科医院は、大田区鵜の木周辺にお住いの方の歯の健康を第一に考えております。
大田区鵜の木のかかりつけの歯医者として、お気軽にぜひ、ご相談ください。