歯周病が治ったら(歯周病の予後)

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

歯周病で抜かなければならない歯は、『とても進行した重症の歯周病の歯』『予後が悪いと考えられる歯』です。

『とても進行した重症の歯周病の歯』とは、歯を支えている歯槽骨がかなり減っている歯、歯周ポケットがとても深い歯、非常にグラグラと動いている歯などのことで、抜かなければならないのは想像していただけると思います。

『予後が悪いと考えられる歯』ってどのような歯でしょうか。

今回は、予後が悪い歯についてご説明します。

■歯周病の予後とは

予後ってなに?

『予後』という言葉をお聞きになったことありますか?

日常生活では使うことがない言葉ですが、辞書を開くと『病気の経過についての医学的な見通し』とあります。

歯周病の場合も同じで、歯ぐきの腫れや痛み、出血などの歯周病の症状に対して治療が終わった後、その歯がどうなっていくのか見通しを立てるという意味です。

予後を予想する意味

歯周病を治療する目的は、もちろん歯を残すことです。

ただし、ここでの『歯を残す』という意味は、『歯周病になった歯』だけを対象にしているのではありません。

『他の歯を残す』という意味も含まれています。

もし、歯周病になった歯を残すことで、他の歯がダメになってしまったら、より多くの歯を失ってしまうことになります。

つまり、歯を残すことが他の歯をダメにする原因となるなら、その歯は予後が悪い歯ということになり、他の歯を守るために抜歯しなくてはなりません。

歯周病になった歯を残すべきかどうかを考えるためには、歯周病の予後を考えることはとても大切です。

■歯周病の予後に影響を与える要因

歯周病の予後に影響する要因としては、『お口の清掃状態』『詰め物や被せ物の状態』『骨の状態』『歯の形』『歯の揺れ動き』『全身疾患』などいろいろ挙げられます。

お口の清掃状態

歯周病の原因は、数百種類もいるといわれる歯周病菌です。

歯周病菌がいるのが、歯の表面についているプラークの中です。

したがって、歯周病治療が成功するかどうかは、プラークがどれだけきれいに取り除けるのかが最大のカギとなります。

これは歯周病の治療後も同じで、治療が終わったあと、プラークがないきれいな状態をいかにして保つかが、歯周病の予後に影響します。

プラークを取り除くこをとプラークコントロールと言い、プラークコントロールが悪いときの方が、歯周病の治療後の経過は悪いです。

歯周病の治療中、一時的に歯周病がよくなったように見えても、プラークコントロールが悪ければ、予後は期待できません。

プラークコントロール、つまりお口の清掃状態がきれいかどうかは、歯周病の予後にとって最も大きな条件です。

詰め物や被せ物の状態

現在の虫歯治療では、虫歯で削ったあとに詰め物や被せ物を装着します。

歯と合いの悪い詰め物や被せ物が装着されると、歯と詰め物や被せ物との間に段差が生じます。

この段差は、プラークが付着する格好の場所となりますので、プラークコントロールが悪化します。

詰め物や被せ物が噛み合わせている歯とうまく噛み合わせられていない場合も、歯周病を悪化させてしまいます。

詰め物や被せ物も歯周病の予後を左右する要因です。

骨の状態

歯周病になると、歯槽骨という歯を支えている骨が吸収されて減っていきます。

歯槽骨の減り方は、一定ではなく歯周病の症状によって異なります。

例えば、歯に沿って深いところまで歯槽骨が減っていると、そうでない場合と比べると予後は悪いです。

奥歯の周囲を覆っている歯槽骨が一部だけ減っているのと、ぐるりと囲うように減っているのとでは、後者の方が予後は悪いです。

このように歯槽骨がどのように減っているかも、歯周病の予後にとても影響します。

歯の形

歯の表面にある溝やくぼみは、実はプラークがつきやすい場所です。

しかも、歯ブラシが当てにくいのでプラークコントロールの難所です。

歯の形は歯周病の予後に関係なさそうですが、そうではありません。

プラークコントロールのしやすさに関係することから、歯の形も歯周病の予後に影響する要因です。

歯の揺れ動き

歯周病が悪化すると、歯槽骨が吸収されて歯がグラグラと動きます。

この歯のグラグラとした動きは、歯周病が急に悪化して腫れたときに増して、炎症が落ち着くとともに減ります。

噛み合わせによっても、歯の揺れ動きは増すことがあります。

あまりにも歯槽骨が減ってしまいますと、やわらかい食べ物を噛むだけでも歯がグラグラと動き噛めなくなります。

揺れ動きの幅が大きいと、歯を抜かなければならなくなることもあるので、歯がどれほど揺れ動いているのかも、歯周病の予後を決める要因です。

全身疾患や栄養状態

全身疾患や栄養状態も歯周病の予後に影響する要因です。

例えば、糖尿病になると免疫力が低下します。

歯周病は歯周病菌によって引き起こされる病気なので、免疫力の低下は歯周病を悪化させてしまいます。

ビタミンCは、歯周病によって傷んだ歯周組織を治すのにとても大切な栄養素ですから、その不足は、歯周病からの回復力を低下させてしまいます。

タンパク質不足も同じです。

■予後の悪い歯とは

予後が悪い歯とは予後の要因に照らし合わせてみて、マイナスになっている歯です。

まず第一にあげられるのが、プラークコントロールが悪い歯です。

揺れ動いて歯みがきがしにくい歯、歯周ポケットが深くて歯みがきができない歯などが当てはまります。

また、入れ歯を作りたいけれどどうしても邪魔になる歯や、残っているために全体の噛み合わせがおかしくなってしまう歯も予後が悪い歯と言えます。

これはあくまで一例ですが、予後が歯は他の歯のためにも抜歯しなければなりません。

■まとめ

今回は、歯周病治療を受けても予後が悪い歯についてお話ししました。

歯周病の予後は、『お口の清掃状態』『詰め物や被せ物の状態』『骨の状態』『歯の形』『歯の揺れ動き』『全身疾患』などによって決まります。

したがって、プラークコントロールがしにくいなど、予後を決定する要因にマイナスに作用する条件にあてはまる歯が、予後の悪い歯と言えます。

歯科医師は、できれば歯を残しておきたいと考えるのですが、予後が悪いと考えられる歯は、残念ながら他の歯を守るためにも抜歯しなくてはなりません。

歯周病治療を受けても、歯を抜かなければならなくなる背景にはこのような事情があるのです。

大田区鵜の木にある野原歯科医院

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