日本人と歯磨きの関係

こんにちは。野原歯科医院院長の野原行雄です。

驚かれるかもしれませんが、日本人は少なくとも縄文時代から歯磨きをしていたそうです。

縄文時代の遺跡から歯磨きをしていた跡が見つかっています。

これを読んでおられる方々の多くが、歯磨きの習慣があると思われますが、実際のところ、私たち日本人は、どの程度歯磨きをしているのでしょうか。

今回は、現代の日本人の歯磨き習慣についてお話ししたいと思います。

■日本人の平均的な歯磨き回数と歯磨き時間

日本人が一日どれくらい歯を磨き、歯磨きにどれくらいの時間かけているかを知りたい場合は、厚生労働省の歯科疾患実態調査が参考になります。

平成28年度の歯科疾患実態調査を見てみましょう。

歯磨きをする人

毎日1回だけでも歯を磨く人は95.3%、一方、歯を全く磨かないという人は0.4%でした。

残りは、毎日ではないけれど、ときどきは歯を磨くという人です。

毎日歯を磨く人の中でも1日3回以上磨く人は、27.3%でした。

3割ほどの人々は、食事のたびに歯を磨いていることがわかります。

この統計は、昭和44年のデータから記載されており、それによると昭和44年では毎日1回以上歯磨きをする人は79.7%、全く歯磨きをしない人は8.1%でしたので、歯磨き習慣のある人は増加しているわけですね。

特に注目したいのが、1日3回以上歯を磨く人の割合です。

昭和44年の調査では、わずか1.8%しかいませんでした。

それが3割近くまで増加したわけですから、その増加率の高さに驚かされますね。

■お口のケア状況

歯やお口の清掃状況も歯科疾患実態調査に表されています。

歯ブラシ以外の清掃道具の使用状況

歯ブラシ以外に歯間ブラシやデンタルブラシを使って歯と歯の間のケアをしている人は、男性で30.6%、女性で46.3%でした。

舌ブラシを使って舌のケアをしている人で見てみると、男性で16.6%、女性で22.3%でした。

歯と歯の間のケアと舌のケアの両方をしている人では、男性で53.7%、女性で74.5%でした。

女性の方が、お口のケアに熱心と言えそうですね。

歯間ブラシやデンタルフロスの年齢別比較

歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間まで磨いている人は、女性の場合、40代以上になると50%を超えるのですが、男性の場合、残念ながら50%を超えることはなく、40%を超える唯一の年齢層である65〜69歳が最も多く、40代以上で30%代となっています。

女性の場合、未成年でもおおむね20%くらいは使っているので、全年齢層で男性よりも歯と歯の間のケアに気を配っていると言えそうですね。

舌ブラシの年齢別比較

舌ブラシを使った舌のケアに関しても年齢別の比較がなされています。

こちらでは、舌のケアを熱心に行っているのは、男女ともに20〜50歳辺りとなっており、ついで65〜75歳ごろとなっています。

気になる割合では、女性のピークは25〜29歳で35%ほど、その後50歳までが30%ほどで推移しています。

一方、男性のピークは同じく25〜29歳で30%、やはり50歳ごろまでで25%で推移しています。

若い方の方が舌のケアには熱心に取り組んでいると言えそうですね。

■年収と歯磨きの関係

パナソニックが年収と歯磨きの関係性について調査した結果があります。

この統計では、年収400万円未満と400〜800万円、800万円以上の3つの層に分けて意識調査しています。

年収が高くなるほどに『1本1本磨くこと』『歯と歯の隙間に入るように磨くこと』『歯周ポケットの仲間で磨くこと』を意識して磨いているようです。

年収と歯磨きへの積極性は比例しているといえそうですね。

■歯磨きは食後してはダメ?

最近、テレビで著名人が食事の後すぐに歯磨きをすると、かえって歯を溶かしてしまう可能性があり、よくないとする意見を述べている向きがあります。

ですが、実際のところ、唾液には食事中に酸性に傾いたお口の環境を中性に戻す中和作用があります。

よほど酸っぱい食べ物を、繰り返して食べ続けない限り、歯はなかなか溶けません。

ですから、食後すぐに歯を磨いたとしても、歯が溶けることはないので大丈夫です。

逆に、食後数分経ってから磨こうと、歯磨きをしないままでいることで、歯磨きを忘れたり、お口の中の汚れをむし歯菌が代謝して酸を作り出したりする方が有害と考えられます。

食後早めの歯磨きは問題ありませんので、テレビでのお話に惑わされることなく、今まで通りに歯磨きをしていただければと思います。

参考URL:日本小児歯科学会

htt://www.jd.or.j/cotet/mai/rooal/idex09.html
htt://www.jd.or.j/cotet/ew/ew20121012.html

■まとめ

今回は、日本人の歯磨き習慣についてお話ししました。

きちんと歯を磨く習慣のある人は年々増えているようです。

食事のたびに歯を磨く人も増えています。

男女間で歯磨きに対する意識を見てみると、歯間ブラシやデンタルフロスの使用頻度から女性の方が高いようです。

歯間ブラシやデンタルフロスを使う人は、まだまだ少ないようです。

読者の皆さんで、使っていないという人は、歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間まできれいにするようにしてください。

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